第13話
夢小説設定
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見つめてくるジェノスの眼がとても優しくて、月の光にも劣らぬその金色の美しい瞳に吸い込まれそうになる。
ネックレスをつけるときジェノスの手に触れたうなじが熱い。
ほんの少しかすっただけなのに、その感触を忘れられない。
今も、ジェノスの言葉、仕草、全てに心奪われて目が離せない。
彼には初対面の人をも魅了するほどの美しさがある。でもそれだけでなく、その内面────優しさや正義感、強い意思、そういったものにも惹かれている自分がいる。
本当は今すぐ触れたい。
ジェノスのその金色にきらめく髪、見ただけでわかるすべすべとした頬、金属製のがっしりとした腕に。
「・・・そろそろ帰るか」
ジェノスの言葉で、楓香は我に返る。
「あっ・・・うん」
今度はジェノスが先を歩く。
その少し後ろを歩いていた楓香は、ボソリと呟いた。
「私、ジェノスとなら一緒に寝てもいいよ」
ジェノスが前を向いたまま立ち止まった。
突然口から出た言葉。
自分でもなんでこんなタイミングでこんなことを言ったのかわからない。
とんでもない事を言ってしまったとパニックになる。
「あ、いや・・・あの、床で寝るのは良くないし、ベ、ベッドもすごく大きいし・・・? あれだけ広ければ別に問題ないかなぁ~って・・・・・・」
必死に弁解をし、後ろから様子をうかがうと、ジェノスは戸惑っているようだった。
(まあ普通、そうなるよね・・・)
無意識のうちに発してしまった言葉に後悔する。
だがしばらくしてジェノスが言った。
「俺も構わない。・・・・・・楓香となら」
「!!」
ジェノスの返事が予想外で、何も返せない。
ぽかんと口を開けていると、
「・・・せ、先生が心配するから早く帰るぞ」
と、スタスタと歩いていってしまう。
「あ、待って・・・!」
急いでついていきながら考える。
(最近の私、おかしい・・・・・・)
さっき言ったこともそうだし、いつ何をしでかすかわからない。
頭の中はいつもジェノスでいっぱいで、ジェノスの言動ひとつひとつに振り回されてしまう。
これが何なのか、楓香には見当がついていた。
だけどそれをはっきりと自覚してしまったら、自分が自分でいられなくなる気がする。
初めての感情に歯止めがきかなくなって、変なことをしてしまったら・・・と考えると怖い。
だからまだ今はこの気持ちに蓋をして、気づかないふりをすることにした。