第13話
夢小説設定
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「「「え??」」」
ホテルのロビーで、3人の男女の声が重なった。
その3人とはもちろん、楓香、サイタマ、ジェノスのこと。
フロントの受付で、このペアチケットはカップルか夫婦でないと使えない、と言われたのだ。
ジェノスとサイタマが2人部屋、楓香が1人部屋で泊まるつもりだったため、3人とも拍子抜けした。
チケットをよく見ると、注意事項の欄に確かにそう書いてある。
「えぇ、ここそんなに安くないからチケット使えないと困るなぁ」
それを聞いて、顎に手を当て少し考えた後、ジェノスが言った。
「・・・つまり、カップルが同じ部屋で泊まれば良いんだな?」
「はい、そうなります」
(どうしよう・・・サイタマとジェノスが恋人、とか言ったら大変なことになりそうだし・・・)
意見を求めようとジェノスを見た瞬間、いきなり肩を抱き寄せられた。
「俺と楓香は恋人同士だ。これで文句ないだろう」
「「!?」」
これにはサイタマと楓香も驚きの表情を隠せない。
楓香は顔を真っ赤にして
「そ、そそっそうなの」
と合わせるのが精一杯だった。
次第に周りがザワザワとし始める。
他の客が楓香たちがプロヒーローだということに気がついたのだ。
「え? あれS級ヒーローのジェノスと楓香だよな・・・」
「もしかして付き合ってるっていううわさは本当だったの?」
「なにそれ」
「知らないの? ネットで密かに噂されてたんだよ」
「てかあのハゲは誰? どっかで見たような・・・・・・」
(やばいってこれ・・・!!)
ヒーロー協会所属のヒーロー、しかも1番注目度の高いS級同士が恋人同士だなんて知られたらどうなることか。
今度は真っ青になる楓香。
ジェノスは顔色一つ変えず、楓香の肩を抱き寄せたままカウンターの女性を見つめた。
「あ・・・で、でしたら、お部屋までご案内いたします」
演技にはかなり無理があったが、周りの雰囲気に押されたのもあって、部屋まで案内してくれる事になった。
3人の部屋は階が違っていた。
予約をしていなかったからかと思ったが、楓香とジェノスの泊まる階はカップル専用の部屋しかないらしい。
「んじゃ15分後にフロント集合で」
サイタマにそう言われ、楓香たちはいったん別れてそれぞれの部屋へ入った。