第13話
夢小説設定
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こちらに向かってくるゴキブリ。
喚く楓香を落ち着かせるために、ゴキブリを叩く新聞紙などはないかと部屋を見回すが、ちょうどいいものが見つからない。
ついに2人の足元までゴキブリが来た。
「あんたなんか・・・」
楓香の震え声が背中から聞こえる。
「あんたなんか・・・!!」
見ると、ゴキブリに向かって手をかざしていた。
「こうして!」
楓香は一瞬でゴキブリを氷の箱に閉じ込めた。
「こうして!!」
そしてそれを開けられた窓から外へ飛ばし、
「こうよ!!!」
窓を閉めてから、ゴキブリを覆っていた氷を砕く。
足場を失ったゴキブリは、一瞬落ちかけるが、すぐに羽を開いてどこかへ飛んでいった。
ジェノスはそれをあっけにとられてそれを見つめる。
「あ、ジェノス。ごめんね、無理言って」
「ん、ああ・・・・・・」
果たして自分が行く必要はったのだろうか。
そんな疑問を抱えながらジェノスは部屋へと戻ったのだった。
「・・・まあ、大丈夫だったならいいけど」
サイタマは自分の食器をキッチンの流しに置き、蛇口をひねった。
「それで、どこのショッピングモールに行くんだ?」
「J市の海の近く! 最近できたんだってさ」
「ほー、そうか」
「先生! 俺がやります」
ジェノスがすかさずキッチンへ行きサイタマの代わりに食器を洗おうとする。
「いいよ、こんくらい」
サイタマはそれを遮って自分で食器を洗い始めた。
「お前らも早く皿持ってこねーと洗わないぞ」
「ありがとう」
楓香はキッチンにジェノスと自分の分の食器を持っていこうとする。
しかし2人分は案外持つのが大変で、分けて運ぼうと思ったとき、それを見ていたジェノスがさっと食器を持ってくれた。
「楓香はそこのコップを」
「うん、ありがとう・・・」
礼を言うと、ジェノスは少しだけ微笑んだ。
楓香は顔が熱くなるのを感じて、それを隠そうとうつむく。
(最近ジェノスがすごく優しい・・・いや、前から優しかったけど、なんか前より柔らかくなったというか・・・)