第10話
夢小説設定
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病室を出、廊下の角を曲がったところでジェノスは立ち止まった。
結局、自分が楓香に対してどんな感情を抱いているのかよくわからなかった。
楓香が怪人に襲われていた時、頭よりも体が先に動いていた。
いや、脳の司令よりも先に体が動くなどありえないのだが、気づいたら怪人の攻撃を受け止めていた。
これはヒーローとして当たり前のことだ。ヒーローには市民を守る使命がある。
だけど、それとは違う “何か” がジェノスを突き動かした。
それは何なのだろうか。
(これ以上大切な人を失いたくないという気持ちか?)
「大切な、人・・・・・・」
突然頭の中に浮かんだ “大切な人” という言葉。
(もしかして俺は、いつの間にか楓香のことを・・・
─────妹のように思っていたのか?)
それなら今までの楓香に対しての感情にも説明がつく。
『離さないで』と言われた時のあの感情は楓香に対する愛おしさ。
さっき病室であんなことを言ったのは、人生の先輩として楓香に強くなってもらいたかったから。
「そうか、俺は・・・・・・」
ジェノスは納得したような表情でその場をあとにした。