Prologue
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「だから・・・!!」
手足のロープを解き家に上がらせてもらった楓香は、さっきの男の人に自分が体験したことを説明していた。
男の人はサイタマと名乗った。
趣味でヒーロー?をしているらしい。
ただの妄言を吐く変態ハゲにしか見えない。
新しいタイプの中二病なのかと思ったが、助けてもらったのは事実だし口には出さないでおこう。
夢だとわかってはいるが二度とあんな化け物に会うのはごめんなので、今までに起こったことを説明して、元の世界(?)に帰れるまでここに身を置かせてもらおうと思ったのだ。
「いや、よくわからん。何言ってんだお前?」
サイタマは髪の毛1本生えていない頭をポリポリと掻きながら、眉をひそめた。
(どうしよう。何度言っても信じてもらえないし・・・・・・ええい!*もう何だっていいや!)
楓香はその場に土下座して言った。
「あの、一緒に住んでいいですか!?」
「は?*無理だけど」
「そこをなんとか!」
「いや普通初対面の人に一緒に住んでいいかって聞かれて了承する人いる?」
「それは・・・・・・」
当たり前のことを言われて何も言い返せない。
(どうしたら・・・)
この人にとってメリットがあれば一緒に住むことを許してもらえるかもしれない。
楓香は必死に考えを巡らせたが、思いついた方法はひとつしかなかった。
こんなので了承をもらえるとは思えないが、やってみるしかない。
楓香は財布の中から3万円を取り出した。
「あの・・・・・・これで何とかなりませんか?」
それをサイタマの前に差し出すと、彼は「もらってもいいの?」とでも言いたげに見つめてきた。
「私、掃除とか洗濯とか、ご飯作ったりします。バイト見つけてお金も自分で稼ぎます。だからどうか、私が家に帰れるまで、ここに住まわせてください!*そうしないとさっきの奴らみたいなのにまた殺されかけるかもしれない・・・お願いしますっ!」
楓香は頭を下げたままサイタマの言葉を待った。
少しして、仕方なさそうにため息をつくのが聞こえた。
「そんなに言うならいいよ」
楓香は目を見開いて顔を上げた。
サイタマは楓香のあげた3万円をピラピラとふりながら続けた。
「こんなとこに子供一人ほっぽりだして怪人に襲われたりしたら後味悪いし」