第9話
夢小説設定
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楓香はうまく走れない体を風で支えるようにして人気のない通りを逃げる。
いつの間にか、Z市のゴーストタウンへ来ていた。
(ここ、どこ・・・!?)
いつもとは違うところから入ってしまったせいか、道が全く分からない。
闇雲に走るうちに、行き止まりへ来てしまった。
「そんな・・・!」
振り返るとソーダ男爵がニヤニヤしながら近づいてきていた。
「・・・お父さんと比べて随分強くなったのね」
楓香は話しかけながら反撃のスキを狙う。
しかしあまり時間をかけていてはこちらの体力が持たない。
「爵位と同時に親父の力を受け継いでパワーアップしたからな」
ソーダ男爵は歩み寄る足を止めない。
「へえ。怪人にも爵位なんてあるのね」
(こいつを倒すには、今あるすべての力を使うしかない)
楓香はありったけの力を込めて、巨大な氷の塊を作り出した。
(一発で確実に決めないと・・・!)
強い風を起こして氷の塊を相手にぶつける。
ピキッ
攻撃が当たり、ソーダ男爵の体にヒビが入る。
(あと少し!!)
中のソーダが零れてきた。
「・・・この野郎!!!」
怒りを爆発させたソーダ男爵が暴れ始める。
「きゃあっ!」
ソーダ男爵は瓶の口から二酸化炭素を吹き出しながら楓香に襲いかかってきた。
その攻撃を必死に避ける。
しかし、体力がもう限界だった。
頭痛や吐き気はどんどん酷くなるし、体が言うことを聞かない。
ついに足の力が抜けて、その場にへたりこんでしまった。
頭がぼーっとして、逃げなきゃいけないのに逃げられない。
楓香は霞む目で近づいてくる怪人を見つめた。