第7話
夢小説設定
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「え、あれ新人S級ヒーローの・・・」
「楓香じゃない!?」
「誰?」
「あの子雑誌で見たことある」
「S級なの!?」
「俺たち助かったぞ!」
「いくらS級ヒーローでもこれは無理だろ」
ざわめき出す人々。
楓香は続けて叫んだ。
「落ち着いて避難してください! 遠くの方達にもあそこの公園へ避難するよう伝えてくださーい!」
呼びかけるうち、協力してくれる者が出てきた。
「おーい! 向こうの公園へ避難しろー!」
一緒になって声を出してくれる。
やがて遠くにいる人たちも話を聞きつけやってきた。
その場にいた人全員の避難が終わった。
隕石はすぐそこまで来ている。
楓香は公園の中心部で小さく集まっている人々を見た。
(・・・失敗は許されない)
こんなにたくさんの人々を集めてしまったのだ。
何としてでも守り抜かなければ。
楓香は深呼吸した。
ゆっくりと両手を広げ、水を出す。
その水で公園の人々を囲むドームを作る。
ヒーロー協会の作った災害避難シェルターと同じくらいの大きさはありそうだ。
まだトレーニングを始めたばかりだし、これだけでも割と体力が削られる。
(でも今この人たちを守れるのは私しかいない)
「はっ!!」
一気に全身に力を込めると、キンと音がして水が一瞬で凍った。
力尽きて、その場に座り込む。
見上げると、隕石の落下地点と思われる場所の近くのビルの上に、ジェノスが見えた。
(ジェノス、お願い────)
祈るように彼を見つめる。
(隕石を止めて!!)
ドームの中で何かがチラチラと動くのが視界の隅に映った。
見ると、中にいる人達が楓香に手招きをしている。
何かを言っているが、分厚い氷の壁のせいで聞き取れない。
おそらく「なぜ避難しないんだ」というようなことを言っているのだろう。
楓香は中の人達を安心させようと笑顔で首を振った。
万が一隕石が落ちてきた場合、外にいて爆風や瓦礫からこのドームを守らなければならない。
やっとの事で風を起こして跳び、ドームのてっぺんに立った。
よく見ると、ジェノスの他にもう1人いるのが分かった。
────1人というより、1体という方が正しいかもしれない。
銀色に輝くロボット、ジェノスや楓香と同じS級ヒーローのメタルナイトだ。
ジェノスが他のビルに跳び移り攻撃するより先に、メタルナイトが隕石にミサイルのようなものを数発打ち上げた。
ドグァッ
「きゃっ」
空中で大爆発が起こる。
しかし隕石は破壊されることなく、爆煙の中から再び姿を現した。
今度はジェノスが隕石に攻撃する。
だが、それも効かず、ジェノスが膝から崩れ落ちた。