第7話
夢小説設定
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「サイタマ先生の順位が最下位の388位から342位に上がってます」
パソコンを見ていたジェノスが言った。
「凄いじゃん!」
楓香は洗濯物をたたむ手を止めて、ジェノスの横からパソコンを覗き込む。
ジェノスが来てからは家事を2人で分担してやっている。
そのため最近は自由時間が多く取れるようになった。
今日は楓香が掃除と洗濯、ジェノスが炊事・食器洗いとごみ捨てだ。
「あれで上がったんだ」
サイタマはジェノスがとっている新聞を読んでいる。
サイタマの言う “あれ” とは、先日道端で暴れだした音速のソニックを退治したことだ。
「1週間たったけど、ジェノスと楓香は何かやったの?」
「いえ俺はまだ何も・・・だから実力ランクは最下位のS級17位です」
S級ヒーローのランキングを見ると、『18位 楓香』と書いてある。
「私も18位のまま」
「でも俺は一般人による投票で作られる週間人気ランキングだと6位になってます」
サイタマがお茶を吹いた。
「なんで!?」
「19歳の若さでS級デビューした天才 期待できる」
「顔がかっこいい」
「メディアへの露出を一切拒否するクールさが良い」
「サイボーグ王子」
「鉄の無表情の中に儚さを感じる」
「イケメンヒーロー五本指に入る」
ジェノスは淡々と一般人のコメントを読み上げていく。
「お前自分で言ってて恥ずかしくないのか?」
サイタマの問いにジェノスはきっぱりと答える。
「こんなものは俺の写真を見た印象に過ぎず俺自身を評価したわけじゃないのでなんとも思いません」
「あぁ・・・そう」
ジェノスがサイタマと話しているあいだに、楓香は自分の週間人気ランキングを調べてみた。
(やった! 9位に入ってる!)
「高校生とは思えない身体能力」
「美少女」
「傷治せるのは心強い」
「特殊能力持ってて魔法使いみたい」
「笑顔が愛らしくていい」
「一緒にS級ヒーローになったジェノスとお似合いだと思う」
「えっ」
最後のコメントを見て固まった。
「どうかしたか?」
「なっなんでもない!」
画面を覗こうとしてきたジェノスを押しのけ、楓香は画面をジェノスのページに戻した。
(恥ずかし・・・)
ジェノスとお似合いだなんて。
見た目も中身も全然釣り合ってないのに。
だが悪い気はしない。
恥ずかしくなって俯いていると、ジェノスの携帯電話が鳴った。
携帯をとり、応答するジェノス。
「・・・ああ、そうだ。・・・・・・楓香? 一緒にいる。・・・わかった、今すぐ向かう」
電話中に名前が出てきて驚く。
「私?」
「ヒーロー協会から呼び出しだ。
先生、何故だかいきなりヒーロー協会から呼び出されたのでちょっと行ってきます」
「ああ。クビだったりしてな、ハハ」
サイタマに見送られ、楓香とジェノスは家をあとにした。