第6話
夢小説設定
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事務所に入って数日。
いきなりヒーロー特集の載った雑誌の表紙モデルに抜擢された。
表紙といっても楓香1人ではない。
現在A級1位のイケメン仮面アマイマスクとツーショットでだ。
アマイマスクはカリスマオーラが出ているというか、流石芸能活動もしているだけあって撮影の時にも一切無駄な動きがなかった。
楓香のようにおどおどせず、自分の意見は監督やカメラマンにしっかりと言い、撮影が始まるとその場は一気にアマイマスクが支配しているような感覚がした。
そういったところは尊敬できると思う。
ただ、少し見下されている気がした。
確かに楓香はまだ半人前だし、S級ヒーローになったと言ってもまだ何も活躍していない。
アマイマスクの実力はS級でも普通に通用すると聞いているし、馬鹿にされても仕方がないが、少しむかついた。
あまり楓香の好きなタイプではない。
ただ、仕事は仕事なので精一杯やった。
楓香は清楚系のワンピース、アマイマスクはカジュアルな服装での撮影。
「ちょっと真剣な感じの顔をして」
「はっきりと意思を持ってカメラを見つめるつもりで」
と言われたが、うまく出来ている自信が無い。
写真を撮る時はいつも笑顔だったので、新鮮な気持ちだった。
モデルの仕事も悪くは無いなと思う。
撮影後、雑誌の編集者に「10日発売だから」と言われた。
(10日ってあと1週間くらいしかないじゃん)
そんなにギリギリに作るものなのか、今回の予定が押しているだけなのか分からないが、楓香は楽しみだった。
雑誌発売日、ワクワクしながら本屋へよってみると、思ったより目立つところにその雑誌は置いてあった。
しかも自分の写真が大きく表紙に載っているのだ。
流石に変装もなしに買うのは恥ずかしくなってきて、その場を離れた。
お菓子を買おうと寄ったコンビニにもその雑誌は置いてあった。
(ひぃぃ)
楓香は雑誌の前をそそくさと通り過ぎ、目当てのお菓子を買って逃げるように家へ帰った。
帰る途中でふと、
(アマイマスクって毎日こんな思いしてるのかな)
なんて思った。
(そんなわけないか。彼はもっと前から売れてるんだもんね。もう慣れてるに決まってる)
仕事になれるまでの道のりは、まだまだ長い。