第6話
夢小説設定
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(どうしよう・・・)
仕事をなくしてそのまま家に帰る気分にもなれず、楓香は遠回りして街を歩いていた。
(仕事見つけないと家賃払えないし)
これ以上サイタマに迷惑をかける訳にはいかない。
ヒーローとして仕事をすればお金は入ってくるが、今は何も活動していないので貰っていない。
楓香はどこかに求人広告がないかとあたりを見回した。
「楓香さんですか?」
突然声をかけられ驚く。
見ると、スーツを着た男性が2人。
「私、こういう者ですが」
そう言って渡された名刺を受け取る。
そこには雑誌でよく見る人気モデルの所属する事務所の名前が書かれていた。
「ウチの事務所に入っていただけませんか?」
(これ、スカウト?)
人生2度目のスカウトに少しテンションが上がる。
しかし現実的に考えてみると、自分にモデルなど絶対に無理だ。
絶対に売れずに貧しい暮らしを送る羽目になるに違いない。
「楓香さんならきっとブレイクすると思います。S級ヒーローになったことで注目されていますし」
スーツの男性はまるで楓香の思考が読めていたかのように言ってきた。
楓香はピクリと反応する。
「人気が出れば普通のサラリーマンよりも収入が得られると思います」
「やります! よろしくお願いします!」
楓香は即答した。
前の世界で “現金なやつだ” と言われたことがある。
確かにそうだなと楓香は思う。
でも今回ばかりはあれこれ言っている場合ではない。
生活に関わることだもの、と心の中でつぶやいた。