第5話
夢小説設定
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家に帰ると、サイタマが1人で考え事をしていた。
「先生の元気がないようだが・・・」
ジェノスに聞かれ、楓香は答える。
「なんか今朝変なやつに会ってからずっとああなの」
「変なやつ、とは?」
楓香はカップケーキとスーパーの安いティーパックの紅茶をお盆の上に出しながら、朝に会った音速のソニックについて説明した。
「音速のソニック?
何ですか? その頭痛が痛いみたいな名前の人物は」
楓香の話した恐らくサイタマの気の沈みの原因であろう人物の名前を聞くと、ジェノスはサイタマにこう言った。
「わからん。なんかいきなり現れてライバル宣言して去っていった」
サイタマはもそもそとカップケーキを食べ始めた。
「先生がお困りなら俺が消しますが」
大真面目な顔でジェノスが言う。
「お前も厄介だな」
サイタマは頭を抱える。
「てゆーかなんでまた来たんだよ。
俺は今重大な問題に気づいてショックを受けている最中だ。今日は帰ってくれ! 頼むから!」
(重大な問題?)
「先生ほどの人が抱える重大な問題とは何ですか? 教えてください」
楓香と同じ疑問を持ったらしいジェノスが聞く。
「知名度が低い」
(テンション低かったのそのせいだったんだ・・・)
楓香は紅茶をひと口飲んで次の言葉を待った。
「俺が趣味でヒーローを始めてもう3年が経つ。今までいろんな怪人だの地底怪獣だのテロリストだの悪の軍団だのを退治してきた・・・
ほかのヒーローが俺くらい大した活躍をしている現場なんて見たことがない・・・!
もはや誰もが俺の存在を知ってていいんじゃないか!? もっとファンとかいても不自然じゃないだろ・・・!
むしろこんなゴーストタウンで細々と暮らしてる現状がおかしいだろ!」
その言葉に頷く。
「確かに」
「今朝なんて何て言われたと思う?
『お前など知らん』だってよ」
サイタマはがくりと肩を落とした。
ジェノスはサイタマを見つめて黙っている。
そして少し考え込んでから言った。
「・・・まさか、趣味でヒーローとは・・・先生!!」
サイタマは顔を上げる。
「ヒーロー名簿に登録してないんですか!?」
(ヒーロー名簿?)
楓香はサイタマのパソコンを立ち上げて“ヒーロー名簿とは”と検索した。