第3話
夢小説設定
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楓香は3人分のお茶をテーブルに置いてから、ジェノスの向かい側に座った。
ジェノスの左手、つまり楓香の右手にはサイタマが座っている。
「自己紹介だよね」
楓香は姿勢を正してジェノスに言った。
「えっと、楓香です。17歳です」
「俺はジェノス。19歳だ」
(私より2コ上かぁ)
「ジェノスはサイボーグ、だよね? 何でサイボーグになったの?」
楓香の質問を聞いたサイタマが隣で青ざめる。
(え、どうしたの?)
「俺は4年前、15の時まで生身の人間だったんだ。こんなしみったれた世の中でも家族と共に平穏にまあまあ幸せに暮らして・・・」
「待ったあ!!」
サイタマがジェノスにストップをかける。
「その話はもういいから!」
「しかし・・・」
「楓香もだいたい分かったよな?」
(いや全然わかんないけど)
「な!?」
サイタマの圧に押されて思わず頷く。
「う、うん・・・?」
(何で止めたんだろう? まあジェノスの話、長くなりそうだったから良かったのかな)
不思議に思いながらお茶をすすった楓香の腕を見て、ジェノスが驚いたように言った。
「その手は怪我をしていたはずでは・・・?」
「あ・・・」
(そういえば話さなきゃいけなかった)
「サイタマに大事な話があるの。ジェノスもサイタマの弟子になったわけだしこれからも関わりがあると思うから聞いて」
楓香の真面目な表情を見て、2人は静かに楓香の話に耳を傾けた。
「信じられないかもしれないけど、私、普通の人間には無い特別な力があるの」
「特別な、力・・・?」
そう訊ねるジェノスに頷く。
「うん。2つあるんだけどね、1つは傷を治す力」
楓香の言葉に2人は目を見張る。
ちゃんと信じてもらうために、楓香はカッターナイフを取り出してきて、自分の腕に当てた。
「よく見ててね」
そして軽く力を入れ、カッターを引く。
「っ・・・」
鋭い痛みが走り顔を歪めた。
浅い切り傷ができた腕から、ぷっくりと血の粒が浮かび上がる。
サイタマとジェノスは驚いた表情を浮かべている。
自分で自分を傷つけたのだから驚くのも無理ない。
それから楓香は、さっき怪人にやられた腕の傷を治したように、傷口に神経を集中させた。
するとカッターの切り傷はみるみるうちに消えてなくなる。
「まじか」
サイタマがボソリと呟いた。