Prologue
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「いったぁ・・・・・・」
目が覚めると、全身に痛みが走った。
どうやら道路の真ん中に倒れていたらしい。
楓香は痛みを我慢してゆっくり起き上がった。
(あれ、私何してたんだっけ・・・・・・?)
あたりを見回すと、そこは見覚えのない場所だった。
うちの近くにはこんな場所はないし、自分が今まで何をしていたかが全く思い出せない。
(ええっと・・・)
こめかみを抑えてなんとか思い出そうとする。
その時、遠くからトラックが近づいてくるのが見えた。
(わ!*ここ道のど真ん中じゃん!)
慌てて歩道まで避難する。
白いトラックはものすごい速さで私の前を横切っていく。
その時、すべてを思い出した。
祖母にもらったお金を持って出かけたこと、
信号が赤になったのを見て急いで渡ろうとしたこと、
横からトラックが猛スピードで近づいてくるのに気が付かなかったこと、
そして、そのトラックに撥ねられたこと────・・・
(私、死んだ…?)
かすかに震える両手を見つめる。
何が起きたのか全く理解出来ずに、楓香はそこに立ち尽くした。
その時、楓香の脳裏にある可能性が浮かんできた。
(あっ、もしかして、夢……?)
夢ならば、この状況もすべて説明がつく。
知らない場所へ来てしまったのも、トラックに撥ねられたのも全部夢。
これ以外考えられない。
というか、そう思い込まないと不安で仕方なかった。
(・・・・・・なんだ。夢ならもうちょっと楽しんじゃおう!)
財布の中には3万円が入ったままだ。いざというときにはこれを使えばいい。
とりあえず楓香は人通りの多いところを探しに行くことにした。
(あれ?*おかしいな・・・・・・)
さっきから20分くらい歩いているが、なかなか人に会わない。
人の多いところに着くどころか、どんどん人気がなくなっていく。
さらにまっすぐ歩いていくと、ボロボロのフェンスがあった。
「・・・・・・」
とりあえず中に入ってみる。
「うわあ・・・」
フェンスの中の街は、酷い有様だった。