第3話
夢小説設定
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「ふぅ」
楓香はひとり、たたんである布団の上に腰掛けた。
さっき襲ってきた奴らは、「進化の家」というところから来たと言っていた。
サイタマが来た直後に、昨日会ったサイボーグのジェノスも家から出てきた。
サイタマが言っていた通り弟子入りしに来ていたらしい。
2人が来た後さらに強そうなサイボーグのゴリラと二足歩行のばかでっかいライオンとモグラも来たが、ライオンとモグラはサイタマが倒したしゴリラはジェノスが追い詰めて「進化の家」について色々と聞き出していた。
進化の家の使者だったらしいゴリラたちは、進化の家の実験体───先日襲ってきた蚊の怪人・モスキート娘を一撃で倒したサイタマの身体を調べるため、サイタマを攫いに来たらしい。
今サイタマとジェノスの2人は、進化の家へ向かっている。
楓香は応急処置として腕に包帯を巻いてもらい、留守番をしているところだ。
「暇だなぁ」
サイタマのことを襲いに来たらしいカマキリの緑色の血は綺麗にした。死体はジェノスがどこかに運んでくれたらしい。
カマキリの襲撃でぶっ壊れた天井を見上げながら、楓香はさっきのことを思い出す。
久しぶりに見た自分の能力。
あの時は火力は弱かったけれど、楓香の年齢なら実際はもっと強いはずだ。
小さい頃、田舎の広大な庭に一気に水をまくおばあちゃんを見て楓香は言った。
「おばあちゃんは何でそんなに水を出せるの? 楓香は少ししか出せないのに」
幼き楓香は近くの花に水をまいてみせた。
「楓香ちゃんもあと10年もすれば、水も風も火も、もっとたくさん出せるようになるよ」
「ほんと!?」
「本当だとも。・・・だけどね、その力をうまく操れるようにならないといけないよ。力を操れなくなった者は、自分の身をも滅ぼしてしまうからねぇ」
あれからもう10年が経つ。
祖母の言う通りならば、もっと強い火が出せるようになっているはずだ。
楓香はきっと長い間力を使っていなかったから鈍っているのだ。
「また怪人とかに襲われるかもしれないし、練習しておこうかな」
(それと、サイタマにも一応、力の事を言っておこう)
まだ怪人と対抗できるほどの力はないので、楓香はマンションの屋上でこっそり練習してみることにした。