第3話
夢小説設定
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次の角を曲がればサイタマの家へつく。
楓香は軽い足取りで歩いていき、角を曲がった。
直後、何者かがいきなりぶつかってきた。
「痛っ! ごめんなさ・・・っ!?」
見ると、そこにはカエルとカタツムリとカマキリの化け物がいた。
カマキリは楓香には気づいておらず、そのままサイタマの家へ飛んでいった。
残った2匹が私をじっと見る。
「・・・っきゃああああああ!!!」
力の限叫んで、近づいてくる2匹にとっさに両手を突き出し精一杯祈った。
(お願い、火出て!)
小さい頃に2度と使わないと誓ったあの力。
まだ力を使うのは怖いけれど、助かるにはこの方法しかない。
ボッ
「え・・・」
「あちっ!」
ライターほどの火力だが、自分の手から火が出た。
使えなくなったはずの能力が蘇ったのだ。
「うそ・・・・・・」
(もう使えないと思ってたのに・・・)
信じられなくて自分の両手を見つめる。
「なにすんだよ!!」
怒ったカエルの方が楓香に襲いかかってきた。
「嫌!」
とっさに両腕で顔を守る。
カエルの攻撃が左腕に当たった。
「ッ!!」
あまりの痛みに涙が溢れてくる。
こんなのおかしい。
夢なら痛くないはずなのに。
・・・もしかして、全部夢じゃない────?
そんなことは薄々気づいていた。
でもこんなバケモノの出るところに来てしまったなんて信じたくなくて、認めたくなくて、ずっと「夢だ」と自分に言い聞かせていた。
しかし、夢にしてはリアルすぎる痛みにこれは現実だと痛感させられる。
(やっぱり本当だったの?)
今起きている事もすべて夢ではないと分かった瞬間、恐怖が押し寄せる。
(嫌だ。死にたくないよ・・・!!)
カエルが2度目の攻撃をしようと手を振りあげた。
楓香はぎゅっと目を瞑る。
ズドン!!
大きな衝撃音がして、地面が揺れた。
しかしいつまで経っても痛みは襲ってこない。
「楓香!」
(え、サイタマの声・・・?)
恐る恐る目を開けると、目の前でカエルとカタツムリが地面にのめり込んでいた。
その奥にサイタマが見える。
サイタマが助けてくれた。
私、まだ生きてる。
「っサイタマァァ」
楓香はまだ消えない恐怖とサイタマが助けてくれた安堵で泣き出してしまった。