第12話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(・・・・・・何を、言おうとしたんだ 俺は)
部屋へ戻るなりジェノスは片手で口元を押さえた。
最近、ふととんでもないことを口にしそうになる。
いつもはすぐに我にかえるのだが、今日はうっかりしてしまった。
さっきもぼうっとしてしまったし、なんだか調子が悪い。
それもこれも、あの忍者の話を聞いてからだ。
ジェノスは顔をしかめた。
(やはりあいつは俺が必ず消す)
そう決意したところで、楓香が部屋へ戻ってきた。
お互いなんとなく気まずくて、楓香はベランダから取ってきた洗濯物を無言でたたみ始め、ジェノスは日頃からつけている日記を書き始めた。
静かな部屋に、鉛筆の音と服の擦れる音が延々と続く。
ふと手を止めて楓香を見ると、彼女は俯いて何かを考えているようだった。
視線に気づいた楓香が顔を上げる。
「「っ・・・」」
バッチリと目が合った2人は、気まずそうに視線をそらした。
数秒後、ジェノスが再び楓香をチラリと見ると、また楓香は何か考え込んでいた。
(そんなにアイツのことが気になるのか・・・?)
楓香はきっと音速のソニックの事を考えているのだろうと勝手に想像したジェノスは、怪訝そうに眉をひそめた。
さっきの庇い方も必死そうに感じたし、今日は帰ってきてからずっとそわそわしているのも気になる。
もしかしたら、楓香はあの忍者の事を・・・・・・
(いや、それはないな)
楓香がソニックへそんな想いを抱く理由が見つからない。
ジェノスは半ば強引にそう思い込むことにした。
機械のはずの胸の奥がチクリと痛んだのにも気づかずに。
そんな風に気にされている事は露知らず、当の本人は全く違うことを考えていた。
(なんか、このタイミングじゃすごく言いづらいんだけど・・・)
実は今日ジェノスにやってもらいたいことがあったのだ。
だがさっきの出来事があった後だ。
何となく話しづらい状況である。
だがこのまま迷っていても埒が明かない。
楓香は意を決して口を開いた。