第12話
夢小説設定
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楓香はぽつりぽつりとそれを言葉にしていく。
「たぶん、ソニックはそういう・・・私を傷つけたりとかするつもりはないんだと思う。
きっと私が知らぬ間に嫌な思いさせちゃって、その事を気にしてるとかじゃないかな?
だからソニックは悪くないよ」
それを聞いたジェノスはわずかに眉間にシワを寄せた。
楓香はそれに気づいていない。
「ソニックは多分、根はいい人なんだよ」
「・・・刃物を突きつけられたのに?」
普段より低くなったジェノスの声に、楓香は僅かに肩を震わせた。
「それは・・・」
何も言えなくなってしまった楓香を少し見てから、ジェノスは立ち上がった。
「・・・夕食の支度をしてきますね」
「お、おう」
返事をするサイタマの傍らで、楓香は不安そうにキッチンへ向かうジェノスを見つめた。
(私もしかして、ジェノスのこと・・・怒らせた・・・・・・?)
食事の間、ジェノスが口を利くことはなかった。
楓香はジェノスが黙って食器を洗うのをバツが悪そうに見ていたが、やがて干していた洗濯物を取り込むふりをして逃げるようにベランダへと出た。
(どうしよう)
自然とため息が漏れてしまう。
(謝りたい。でも何しちゃったのか分からない・・・!)
ガラス戸が開く音がして振り返る。
出てきたのはサイタマだった。
「サイタマ・・・どうしよう、私ジェノスに謝りたいんだけど、なんて言ったらいいか分からなくて」
今にも泣き出しそうな楓香を見て、サイタマはため息をついた。
「あのなぁ、深く考えすぎ。あいつ怒ってるわけじゃねえぞ」
「え?」
「まあ楓香にはまだ分からないだろうけどなー」
「どういう事?」
疑問の表情を浮かべる楓香。
ジェノスは明らかに不機嫌だったのに、怒ってないとはどういう事だろうか。
サイタマはふっと笑って言った。
「こういうのは自分で考えるもんだ。
とりあえず今は自分の気持ち素直に言ってみたらいいんじゃね?」
「う、うん・・・」
楓香複雑な表情で頷くと、サイタマは「風呂、先に入るぞ」と言って部屋へと戻っていった。