第12話
夢小説設定
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お気に入りだった帽子に穴が空いたショックを隠せないまま、楓香は家へ帰った。
ドアを開け居間へ入ると、サイタマもジェノスも今日は1日家にいたようで、いつも通りに出迎えてくれた。
「ねぇ聞いて、今日また音速のソニックに会ったの」
楓香は帽子に穴を開けられたことを愚痴ろうと2人の側に座る。
「誰だっけ? 名前聞いたことある気がするけど」
「えぇもう忘れちゃったの? ほら、こないだスキンヘッドの人と戦ったときに会った動きの速い忍者だよ」
「また何かしてきたのか?」
ジェノスが不穏そうに聞く。
「んー・・・してきたような、してきてないような・・・」
(帽子はダメにされたけど私自身は無傷だし・・・)
楓香の曖昧な返事に、2人は首を傾げる。
「『お前を倒す』って言って襲い掛かってきたけど、結局は何もしないで帰っちゃった」
「なんだそれ」
「意味がわからないな」
楓香もソニックの行動を理解できずにいる。
そもそも、恥をかかされたサイタマを敵視するのはともかく、楓香をライバル視する必要などどこにもないのだ。
その気になれば楓香なんて文字通り瞬殺だろうに、なかなかトドメをさしてこない。
謎すぎる。
「先生だけでなく楓香にまで手を出すとは・・・・・・音速のソニック、やはり俺が消しておくべきだな」
急に隣で物騒なことを言い始めたジェノスに楓香は焦って言った。
「べつにそんな大事じゃないしいいよ!?」
喧嘩ふっかけられた程度で消すなんて。
この世界ってみんなそういうもんなの?と不安になる楓香。
「しかし放っておいたらまた襲ってくるかもしれないだろう」
「そうだけど・・・」
楓香は口ごもった。
確かにまたちょっかいをかけられたら面倒くさい。次は何を駄目にされるか分からないし。
だが楓香には、ソニックが本気で命を狙ってくるようには思えなかった。
今日トドメをさしてこなかったのはもちろん、初めて会った時も、殺せる隙はいくらでもあったのに、刃物を突きつけて脅してくるだけだった。
きっと楓香を傷つけるつもりは元からないのだろう。
ライバル視してくる理由は分からないが。