第11話
夢小説設定
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少年が、病室のベッドで眠る人物を見つめている。
その少年の横には、今にも泣き出しそうな顔で立っている妹らしき幼女。
「おにいちゃん・・・」
少女が不安げに少年を見上げると、少年は無言で幼女の手を握った。
その口は一文字に結ばれ、何かに耐えているようだった。
少年の見つめる先のベッドで眠っているのは、10代後半くらいの少女。
体の所々に包帯を巻いている。
そこへ1人の女性が入ってくる。
「母さん、姉ちゃんの容態は・・・?」
少年はその女性を振り返ると、真っ先に言った。
母さんと呼ばれた女性は、暗い顔で首を振った。
「怪我はそれほど酷くないから、もう意識が戻ってもおかしくないらしいの。
それでも目覚めないのは、何か目覚めたくない理由があるのかもしれないって・・・・・・」
途端にその目に涙が浮かぶ。
「きっと普段から負担をかけ過ぎたせいだわ・・・!」
「・・・違うよ、母さんのせいじゃない」
少年はそう言うのがやっとだった。
女性はベッドの脇へ歩み寄り、膝をついた。
彼女は微かに胸を上下させるだけで、一向に起きる気配はない。
女性はその布団から少し覗く彼女の手を握った。
「ごめんね、楓香・・・・・・」
閉じられた女性の瞼の隙間から、涙がにじみ出す。
「おねえちゃん・・・!」
とうとう泣きだしてしまった妹の横で、少年は空っぽの右手を強く握りしめた。