第11話
夢小説設定
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もう1つ大切なことを忘れていた。
・・・・・・モデルの仕事はどうしようか。
最近は少しずつヒーローとしての活動が増えていっている。
このままヒーロー活動を続ければ、生活には問題ないくらいの収入が得られるだろう。そうなればモデルを続ける必要もない。
でも・・・
(私、やっぱりモデルは続けたい)
モデルを続けたら、トレーニングの時間をとりにくくなるだろう。
それでも続けたかった。
元々大好きだった服や靴、アクセサリーを身につけられるのはもちろん、撮影自体が想像を遥かに超えるほど楽しいのだ。
(モデルの仕事はやっぱり続けよう。
もしそのせいでヒーロー活動に支障が出るようなら、きっぱりと辞める)
これは自分への挑戦だ。
どこまでやれるかは分からないけれど、きっとうまく両立させてみせる。
そう心に誓って、楓香は再び歩き出した。
・・・のだが。
「わっ!」
足元をよく見ていなかったせいで、歩道の植え込みの土へ片足を突っ込んでしまった。
ガクンと体が傾き、慌ててバランスを取る。
その時後から何かが勢い良く飛んできて、楓香がかぶっていたつばの広い帽子を攫い、少し離れた街路樹に突き刺さった。
(恥ずかしっ・・・!)
人目を気にしながら体制を立て直す。
そこで、頭の上に乗っていたはずの帽子が無くなっていることに気づいた。
「ん?」
見回すと、帽子は前の街路樹の幹にくっついていた。
黒い何かが帽子を幹に固定させている。
それは前にも見たことのあるものだった。
以前、桃源団とかいうテロリストが現れた時、音速のソニックがサイタマに向かって投げていたもの。
後からそれはクナイという忍者の武器だと知った。
それが数メートル先に刺さっている。
ちょうど楓香の頭の高さと同じ位置に。
今コケていなかったら刺さっていた。
背筋に冷たいものが走った。
恐る恐る振り返ると、そこにいたのは音速のソニック。
「チっ、避けられたか」
ソニックは楓香がただ運良くコケただけという事に気づいていないらしい。
何人かの通行人が、帽子が取れて顔があらわになった楓香に気づいた。
「えっと・・・音速の、ソニックさん・・・?」
「サイタマは一緒じゃないのか」
ソニックは以前会った時の忍者らしい服装とは違い、濃い紫のTシャツに黒ズボンというラフな格好だった。
「・・・まあいい。今日こそお前を倒しに来た」
ソニックは腰の刀の柄に手をかけて言う。