第11話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
思えば小さい頃から悩みを抱え込みやすいタイプだった。
ここはZ市のとある道端。
ゴーストタウンから離れているためか、人通りは少なくない。
楓香はそこをぼんやりと歩きながら考え事をしていた。
そう、普通の人とは違う力を持っていたせいもあって、小さい頃から悩み多き子供だったのだ。
普段はポジティブなはずなのに、変なところでネガティブになってしまって、色々と思い悩んでばかりいた。
それでいて人には弱いところを見せまいと、無理に笑顔を作って隠して。
そうやっていつしか、悩みを抱えているのが当たり前になっていて。
布団の中で1人、静かに泣く夜もあった。
けれど、そうしたところで悩みはなくならなかった。
それどころかどんどん溜まっていって、まるでコップいっぱいに注がれた水のように、少しでも揺らしたらこぼれてしまいそうなほどまでになっていた。
きっとあの病院で、それが溢れだしてしまったのだと思う。
でも、ジェノスが救ってくれた。
楓香が抱え込んでいた悩みを、優しく拭ってくれた。
それが楓香にとってどれほどの救いだったか。
(私、ジェノスに助けられてばっかりだな)
ジェノスに沢山助けられたからこそ、今の自分がいる。
ジェノスの心の強さに胸を打たれるとと同時に、尊敬の念を抱いた。
「だったら強くなればいい」─────
あの時は「無理だ」なんて言ってしまったけれど、はじめから諦めていたら出来ないのは当たり前だ。
やって損することでもないし、むしろそういう経験はいつかきっと自分の役に立ってくれる。
(だったら、やれる所までやってみせる・・・!)
楓香は決意を固め拳を握りしめた。
自分に自信が持てるほど強くなるには、今まで以上の努力が必要だ。
まずは今までやってきたランニングに加えて、筋トレも始めよう。
それから、力を使う練習も毎日欠かさずする事にした。