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ゲーム自体CERO B(12才以上対象)となってますので、PG12設定です。
ごく軽い性的表現を含みますので12歳未満の方の閲覧はできません。もしくは保護者の許可を得てください。
ED2その後を想定してます。
同棲中。
チアキの呼び方は「チアキくん」固定です。
***
なまえがハンドミキサーのスイッチを押した途端、ボウルの中身が散った。台所のタイルの壁にぽつぽつと跡をつけてしまい、あぁ…と力なく呟いた。
掃除はまとめて後でしよう。ここで止めてはいけない。ゼラチンを入れているからには、泡立てていないといずれただのゼリーになってしまう。できるだけ中身が跳ねないようにボウルを傾けて泡立てを再開した。
ストロベリー、砂糖、水あめ、レモンジュース、ゼラチン、といったほぼ糖分で占める材料のおかげで、べったりとした甘い香りが充満していく。なんならストロベリーより砂糖の重量のほうが多い。
液体は次第に濃い赤からピンクへと色を変えもったりとしてきて、飛び散ることもなくなった。
固まりつつある生地を手早く型に流し、冷蔵庫に保管する。壁やカウンターに飛び散った生地は布巾で簡単に落ちた。
最後にピンクの不恰好なドットの模様がついてしまったエプロンを脱いで洗濯機に落とす。
玄関のドアが開いた音をききつけて、その場を離れた。
「ただいま。なまえ。」
「おかえりなさい、チアキくん。」
出迎えると、チアキは笑顔を浮かべて、かわいい恋人に軽く口付けた。すっかり習慣となった帰宅の挨拶だ。
「ん?なんか甘い匂いがする。」
「えっ。ここでわかる?」
台所だって拭き掃除した。冷蔵庫を開ければ甘い香りはするだろうが、玄関にまで香りは届かない。
「覚えがある匂いだ。なんだろう。」
視線を下げて考え込む姿勢に入ってしまったチアキ。思考の邪魔をしてはいけないかと黙っておく。それはそれとしてスーツのジャケットを預かろうと手を伸ばしたその先でチアキが手首を掴んだ。
「ああ、これか。」
掴んだ腕を引いて、腰を抱き寄せる。なにがきっかけかは不明だが、彼のスイッチが入ってしまったのはわかった。
「なに、どうしたの?」
「この腕。自分で気づかなかった?」
わずかに捻るようにして角度を変えれば、ピンクが線を引くように張り付いていた。ギモーブの生地だ、とピンときて目を見開く。手指は洗ったけれど、腕までは確認していなかった。
「こんなところにまで……。」
指先でこすって落とそうとすると、それより先にチアキの口元に誘導される。舌で舐めとられた。
「……っ?!」
「うん、甘酸っぱい。ギモーブか。懐かしいな。」
孤島で差し入れた品のなかでも、彼は喜んでくれていたことをよく覚えていた。もともとは、須田看守への賄賂だったお菓子。その事実を伝えると彼は嫉妬するかもしれないので黙っておく。
材料を手に入れることは簡単だったし、レシピも複雑ではない。だから自分にも作れると思った。
「チアキくん、あの味気に入ってたみたいだから作ってみようと思って。アリサさんのようには上手くできないだろうけど……。」
「美味いよ。君が作ってくれたんだから当然だろ。」
まだ腕に残っているのか、チアキは細かくキスを落とすように舐めていく。
そんなにたくさん、付いているはずはないのだけれど。しかも肘のところまで唇を進める。
「君から砂糖菓子の味がするなんて、夢みたいだな。」
目的を違えてもはや愛撫に切り替わっている唇を止めなければ。
「チアキくん、あの、お仕事で疲れてるでしょ?」
「いいや?今日は打ち合わせや事務処理ばかりだったから、体を動かしたい気分だ。」
にやりとして、今度は唇を吸う。
「あの、夕ご飯も作らなきゃ……。」
「俺がなんとかする。先に君を食べたい。……駄目か?」
返答に窮していると、追い討ちのように唇を啄まれる。諦めて彼の首を抱えるように両手をまわすと、舌を絡め合いながら寝室へ雪崩れ込んだ。
***
終わります。
読んでくださりありがとうございます!
ゲーム自体CERO B(12才以上対象)となってますので、PG12設定です。
ごく軽い性的表現を含みますので12歳未満の方の閲覧はできません。もしくは保護者の許可を得てください。
ED2その後を想定してます。
同棲中。
チアキの呼び方は「チアキくん」固定です。
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なまえがハンドミキサーのスイッチを押した途端、ボウルの中身が散った。台所のタイルの壁にぽつぽつと跡をつけてしまい、あぁ…と力なく呟いた。
掃除はまとめて後でしよう。ここで止めてはいけない。ゼラチンを入れているからには、泡立てていないといずれただのゼリーになってしまう。できるだけ中身が跳ねないようにボウルを傾けて泡立てを再開した。
ストロベリー、砂糖、水あめ、レモンジュース、ゼラチン、といったほぼ糖分で占める材料のおかげで、べったりとした甘い香りが充満していく。なんならストロベリーより砂糖の重量のほうが多い。
液体は次第に濃い赤からピンクへと色を変えもったりとしてきて、飛び散ることもなくなった。
固まりつつある生地を手早く型に流し、冷蔵庫に保管する。壁やカウンターに飛び散った生地は布巾で簡単に落ちた。
最後にピンクの不恰好なドットの模様がついてしまったエプロンを脱いで洗濯機に落とす。
玄関のドアが開いた音をききつけて、その場を離れた。
「ただいま。なまえ。」
「おかえりなさい、チアキくん。」
出迎えると、チアキは笑顔を浮かべて、かわいい恋人に軽く口付けた。すっかり習慣となった帰宅の挨拶だ。
「ん?なんか甘い匂いがする。」
「えっ。ここでわかる?」
台所だって拭き掃除した。冷蔵庫を開ければ甘い香りはするだろうが、玄関にまで香りは届かない。
「覚えがある匂いだ。なんだろう。」
視線を下げて考え込む姿勢に入ってしまったチアキ。思考の邪魔をしてはいけないかと黙っておく。それはそれとしてスーツのジャケットを預かろうと手を伸ばしたその先でチアキが手首を掴んだ。
「ああ、これか。」
掴んだ腕を引いて、腰を抱き寄せる。なにがきっかけかは不明だが、彼のスイッチが入ってしまったのはわかった。
「なに、どうしたの?」
「この腕。自分で気づかなかった?」
わずかに捻るようにして角度を変えれば、ピンクが線を引くように張り付いていた。ギモーブの生地だ、とピンときて目を見開く。手指は洗ったけれど、腕までは確認していなかった。
「こんなところにまで……。」
指先でこすって落とそうとすると、それより先にチアキの口元に誘導される。舌で舐めとられた。
「……っ?!」
「うん、甘酸っぱい。ギモーブか。懐かしいな。」
孤島で差し入れた品のなかでも、彼は喜んでくれていたことをよく覚えていた。もともとは、須田看守への賄賂だったお菓子。その事実を伝えると彼は嫉妬するかもしれないので黙っておく。
材料を手に入れることは簡単だったし、レシピも複雑ではない。だから自分にも作れると思った。
「チアキくん、あの味気に入ってたみたいだから作ってみようと思って。アリサさんのようには上手くできないだろうけど……。」
「美味いよ。君が作ってくれたんだから当然だろ。」
まだ腕に残っているのか、チアキは細かくキスを落とすように舐めていく。
そんなにたくさん、付いているはずはないのだけれど。しかも肘のところまで唇を進める。
「君から砂糖菓子の味がするなんて、夢みたいだな。」
目的を違えてもはや愛撫に切り替わっている唇を止めなければ。
「チアキくん、あの、お仕事で疲れてるでしょ?」
「いいや?今日は打ち合わせや事務処理ばかりだったから、体を動かしたい気分だ。」
にやりとして、今度は唇を吸う。
「あの、夕ご飯も作らなきゃ……。」
「俺がなんとかする。先に君を食べたい。……駄目か?」
返答に窮していると、追い討ちのように唇を啄まれる。諦めて彼の首を抱えるように両手をまわすと、舌を絡め合いながら寝室へ雪崩れ込んだ。
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終わります。
読んでくださりありがとうございます!