Say those three little words.
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**
ご注意。
ほぼオリキャラとの会話です。
気分の良い話ではないので嫌な方は飛ばしてください。
**
苗字先輩、と声をかけてきたのは見覚えがあるような女子生徒。制服を着ていれば狭い校内なので一度くらいすれ違ったりして錯覚することもあるだろうけど。
「はい」
少しお話いいですか?
「どうしたの?」
助けてほしいことがあるんです。
「何か困ってるの?」
苗字先輩、バレー部のマネージャーなんですよね?田中君からききました。
「お手伝いはしてるよ。バレー部のことでなにか迷惑でもかけたかな?」
いえ、あの、私……バレー部に気になる人がいて。後押ししてくれませんか。
「後押しって、どうやって?」
紹介してくれませんか。
「……ごめんなさい、私はあなたのこと何も知らないから、どう紹介していいかわからないの」
そんな……お願いします。
「まずは私を通さずにあなたから挨拶してみたらどうかな?みんないい人だから、ちゃんと返してくれると思うよ。無視されたら、私が叱るからそのとき教えて」
酷い。声なんてかけられないからこうやって頼んでるのに。
「まずはお話できるようにならないと、仲良くなれないよ」
一度仲介してくれたっていいじゃないですか。
「……実は、こういう頼みごとしてきたのあなたが初めてじゃないの。でも私はバレー部の窓口でも仲人でもない。ひとりひとり紹介してられないの、わかるでしょ?あなただって、まず田中君に断られたから私にお願いにきたのよね」
ずるい、一番近くにいれるのに。神永先輩にとってはただの一部員だろうけど、私には違うんです。特別なんです。
「協力できなくてごめんなさい。でもいま勇気を出せば、好きな人も見てくれるよ。がんばって」
苗字先輩って、噂と違ってすごく冷たいんですね。私、こんなに一生懸命お願いしてるのに。
「そうだね」
ほんと酷い。同じ女なのに、わかってくれないんですか。
「ごめんね、あなたの気持ちはわからない」
偶然を装って引き合わせてくれるくらいできますよね?
「正直に『全く知らない子だけど無理に紹介して欲しいって言われた』って教えていいのなら」
そんなの嫌に決まってるじゃないですか。ふざけないでください。
「なら、あなたが自分で行動を起こすしかないよ」
うるさい。説教できるほど偉いんですか。
「たぶんあなたは次に潔子に頼もうって考えてるのかもしれないけど、同じ結果だと思うよ」
清廉で屹然としていて美しいと評判なのも納得できる。だが公式試合のときには毎回のように滂沱と泣いていた姿とはかけ離れていて、影山は混乱した。
「なんだありゃ」
エッ……苗字先輩って実は強えぇぇぇ。
みぞおちの辺りが冷えるのを感じながら、日向は影山のシャツを掴んで飛び出さないように引き取めつつ、日陰から動けないでいた。自主練の帰りにたまたま通りがかった校舎裏で、バトルを目撃してしまった。殴りあいはしてないけれども、口を開く度に刃物が飛び出しているかのようだった。苗字先輩の声が、おっとり落ち着いてていつも通りなのがなおさら怖かった。
「しっ!影山、しーっ!」
咎める声すら大きくて、その場に残っていたなまえに見つかった。
「……あれ?二人ともお疲れさま」
「お疲れっす」
「お疲れっす!おれたち自主練でたまたまこっちにいて!」
「そっか、頑張ってるね」
きょろきょろ目を泳がせる日向の様子で、先ほどまでのドラマを見られていたのだろうと察する。
「恋する女の子は慎重で過激なんだよ」
相容れない2つの評価に影山は首を傾げ、日向はしんみりと頷いていた。
**
先輩と別れて校舎に入っても鳥肌が止まらない。
「怖ぇ~~マジ女子怖ぇ~~~~」
「苗字先輩は怖くねぇだろ」
「いやいやいやあれに太刀打ちできる苗字先輩すげぇ~~~。絶対キレさせたらヤバい」
「そうか?」
怒った姿が想像もつかない。
「普段大人しいヤツがキレたら怖いんだぞ、知らねぇのか」
調子に乗りやすい2年組を必要なときに持ち上げたり、怒られた後輩を慰めたりしている。さっきのように対面して強気な態度を出したり芯があるようには見えなかった。ふわふわ柔らかくて、心地よさをくれる。特定の誰かを贔屓することはなく、どの学年の部員であろうが平等に接する。3年にこれをしても1年にはしない、ということがない。全く同じ扱いをするという意味ではなく、それぞれにとって程よい距離感を保ってくれる。他人とのコミュニケーションを苦手とする影山にとっては参考にしたい態度だった。なんせ彼女がそばにいる限りあの月島に一度も嫌味を言われたことがないのだから。
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ご注意。
ほぼオリキャラとの会話です。
気分の良い話ではないので嫌な方は飛ばしてください。
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苗字先輩、と声をかけてきたのは見覚えがあるような女子生徒。制服を着ていれば狭い校内なので一度くらいすれ違ったりして錯覚することもあるだろうけど。
「はい」
少しお話いいですか?
「どうしたの?」
助けてほしいことがあるんです。
「何か困ってるの?」
苗字先輩、バレー部のマネージャーなんですよね?田中君からききました。
「お手伝いはしてるよ。バレー部のことでなにか迷惑でもかけたかな?」
いえ、あの、私……バレー部に気になる人がいて。後押ししてくれませんか。
「後押しって、どうやって?」
紹介してくれませんか。
「……ごめんなさい、私はあなたのこと何も知らないから、どう紹介していいかわからないの」
そんな……お願いします。
「まずは私を通さずにあなたから挨拶してみたらどうかな?みんないい人だから、ちゃんと返してくれると思うよ。無視されたら、私が叱るからそのとき教えて」
酷い。声なんてかけられないからこうやって頼んでるのに。
「まずはお話できるようにならないと、仲良くなれないよ」
一度仲介してくれたっていいじゃないですか。
「……実は、こういう頼みごとしてきたのあなたが初めてじゃないの。でも私はバレー部の窓口でも仲人でもない。ひとりひとり紹介してられないの、わかるでしょ?あなただって、まず田中君に断られたから私にお願いにきたのよね」
ずるい、一番近くにいれるのに。神永先輩にとってはただの一部員だろうけど、私には違うんです。特別なんです。
「協力できなくてごめんなさい。でもいま勇気を出せば、好きな人も見てくれるよ。がんばって」
苗字先輩って、噂と違ってすごく冷たいんですね。私、こんなに一生懸命お願いしてるのに。
「そうだね」
ほんと酷い。同じ女なのに、わかってくれないんですか。
「ごめんね、あなたの気持ちはわからない」
偶然を装って引き合わせてくれるくらいできますよね?
「正直に『全く知らない子だけど無理に紹介して欲しいって言われた』って教えていいのなら」
そんなの嫌に決まってるじゃないですか。ふざけないでください。
「なら、あなたが自分で行動を起こすしかないよ」
うるさい。説教できるほど偉いんですか。
「たぶんあなたは次に潔子に頼もうって考えてるのかもしれないけど、同じ結果だと思うよ」
清廉で屹然としていて美しいと評判なのも納得できる。だが公式試合のときには毎回のように滂沱と泣いていた姿とはかけ離れていて、影山は混乱した。
「なんだありゃ」
エッ……苗字先輩って実は強えぇぇぇ。
みぞおちの辺りが冷えるのを感じながら、日向は影山のシャツを掴んで飛び出さないように引き取めつつ、日陰から動けないでいた。自主練の帰りにたまたま通りがかった校舎裏で、バトルを目撃してしまった。殴りあいはしてないけれども、口を開く度に刃物が飛び出しているかのようだった。苗字先輩の声が、おっとり落ち着いてていつも通りなのがなおさら怖かった。
「しっ!影山、しーっ!」
咎める声すら大きくて、その場に残っていたなまえに見つかった。
「……あれ?二人ともお疲れさま」
「お疲れっす」
「お疲れっす!おれたち自主練でたまたまこっちにいて!」
「そっか、頑張ってるね」
きょろきょろ目を泳がせる日向の様子で、先ほどまでのドラマを見られていたのだろうと察する。
「恋する女の子は慎重で過激なんだよ」
相容れない2つの評価に影山は首を傾げ、日向はしんみりと頷いていた。
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先輩と別れて校舎に入っても鳥肌が止まらない。
「怖ぇ~~マジ女子怖ぇ~~~~」
「苗字先輩は怖くねぇだろ」
「いやいやいやあれに太刀打ちできる苗字先輩すげぇ~~~。絶対キレさせたらヤバい」
「そうか?」
怒った姿が想像もつかない。
「普段大人しいヤツがキレたら怖いんだぞ、知らねぇのか」
調子に乗りやすい2年組を必要なときに持ち上げたり、怒られた後輩を慰めたりしている。さっきのように対面して強気な態度を出したり芯があるようには見えなかった。ふわふわ柔らかくて、心地よさをくれる。特定の誰かを贔屓することはなく、どの学年の部員であろうが平等に接する。3年にこれをしても1年にはしない、ということがない。全く同じ扱いをするという意味ではなく、それぞれにとって程よい距離感を保ってくれる。他人とのコミュニケーションを苦手とする影山にとっては参考にしたい態度だった。なんせ彼女がそばにいる限りあの月島に一度も嫌味を言われたことがないのだから。
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