誠実な恋のはじめ方
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「さて、と」
ジャーファルが腰を上げて、こちらに身を寄せた。
優しい微笑みと、頭を撫ぜる手に、心臓がはちきれそうだった。
「ちょっと悪い虫がいるようですが、それは私の本意ではないので気を悪くしないでくださいね」
それから振り返って扉にまっすぐ向かう。
なまえは悪い虫?と首をかしげる。
ジャーファルが思い切り扉を開けた。
そこには、床に座り込んで耳をぴったり扉につけていたであろう格好で、国王が固まっていた。それを見下ろして、ジャーファルは表情なく眼を光らせた。
「シンよ、これで満足ですか?」
「お、おお……さすがだジャーファル、よくやった!めでたい!」
「シ、シンドバッドさま?」
何も気付かなかった。
なまえはおろおろと手をそよがせる。
「無事に仲直りできたようでなにより。俺も嬉しいぞ、ハッハッハ!」
「盗み聞きしといて笑ってごまかそうとすんな」
ジャーファルの手刀がシンの頭を直撃し、倒れた。
「ではなまえ、また明日」
片手を上げて、にっこりとした。
そのまま首根っこを捕まえて、国王を引きずっていってしまった。慌てて頭を下げる。
「はい!また、明日……」
恍惚と小さくなる後ろ姿を眺めていると、ヤムライハが反対側の通路から歩いてきた。
扉によりかかるなまえのほっぺたを人差し指でつつくと、きゃっと叫んでその場で跳びはねて、顔を真っ赤にした。
「なまえ、それで、うまくいったのよね?」
わざと確認の形で尋ねると、彼女は喜びまぜこぜの泣きそうな顔をした。
「ヤムライハさま!ええと、ジャーファルさまは怒ってないそうです」
「それだけではないでしょう。ちょっと、詳しくお聞かせなさい」
「あっはい、いまお茶をお淹れします」
その後楽しくヤムライハとお茶を楽しんだ。
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