天童覚夢
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「俺の妹だ」
「初めまして」
「エッ若利くんの妹さん?!そっくりだネ?!」
そんな会話をしたのが先日の、スーパーマーケットでの出来事だった。
私と兄は両親にも生き写しと言われるほど似ている、らしい。
らしいと言うのも、当人間ではそこまで似ていると思えないからだ。
私の方が兄よりも髪は長いし、背も低い、それに兄よりは表情が豊かだと思う。
「あれ?いちゃんだよね?」
「こんにちは」
この人は天童さん、兄のチームメイトだそうだ。
「しかし本当によく似てるね〜」
そんなことは無いと思ったが、これくらいはもう慣れたもので、軽く会釈しておく。
「これから帰り?」
「そうです」
「じゃあ送ってくよ」
兄も住む寮は私の家からは遠かったはずだ。
「いえ、大丈夫です」
「いいのいいの〜女の子が一人で出歩くのは危ないデショ?」
「あ、ありがとうございます」
天童さんはじゃあいこー!と前を歩き始めた。
兄のチームメイトと話す事なんてないから、少し緊張してしまいそうだ。
「兄は大丈夫ですか」
「ナニー?部活の話?」
「いえ、部活は心配してません」
兄は心配する隙もない程部活に関しては完璧だと思う。
だが、そのせいで私生活が疎かになりがちだ。
「うーん、普段から若利くんは面白いよ」
「……なるほど」
兄は向こうでも変わらないようだ。
まあ家を出るとはいえ、寮生活ならチームメイトの先輩達がなんとかしてくれるだろう。
「……仲良いんだネ、若利くんと」
「まあ、そうですね」
一般的な家庭よりは兄妹仲は良いと思う。
なんだかんだ、兄の考えることが理解できるし、思考回路は似ているのかもしれない。
そんなことを話している内に、我が家の明かりが見えてきた。
「もうそこなので、この辺で大丈夫です」
「あ、ホント?」
「はい、ありがとうございました」
私は立ち止まって、天童さんの方へ振り返り、深く礼をする。
「兄のこと、よろしくお願いします」
天童さんはこちらに向き直ると、ニヤッと笑った。
「いちゃんと若利くんって、似てるけど似てないネ」
「えっ」
顔を上げると、天童さんはまた話そうネ〜と手を振りながら去っていった。
「……やっぱり似てないよなぁ」
今度会う時はもう少し髪を整えようか。
そんなことを思いながら、私は門を開いた。
「初めまして」
「エッ若利くんの妹さん?!そっくりだネ?!」
そんな会話をしたのが先日の、スーパーマーケットでの出来事だった。
私と兄は両親にも生き写しと言われるほど似ている、らしい。
らしいと言うのも、当人間ではそこまで似ていると思えないからだ。
私の方が兄よりも髪は長いし、背も低い、それに兄よりは表情が豊かだと思う。
「あれ?いちゃんだよね?」
「こんにちは」
この人は天童さん、兄のチームメイトだそうだ。
「しかし本当によく似てるね〜」
そんなことは無いと思ったが、これくらいはもう慣れたもので、軽く会釈しておく。
「これから帰り?」
「そうです」
「じゃあ送ってくよ」
兄も住む寮は私の家からは遠かったはずだ。
「いえ、大丈夫です」
「いいのいいの〜女の子が一人で出歩くのは危ないデショ?」
「あ、ありがとうございます」
天童さんはじゃあいこー!と前を歩き始めた。
兄のチームメイトと話す事なんてないから、少し緊張してしまいそうだ。
「兄は大丈夫ですか」
「ナニー?部活の話?」
「いえ、部活は心配してません」
兄は心配する隙もない程部活に関しては完璧だと思う。
だが、そのせいで私生活が疎かになりがちだ。
「うーん、普段から若利くんは面白いよ」
「……なるほど」
兄は向こうでも変わらないようだ。
まあ家を出るとはいえ、寮生活ならチームメイトの先輩達がなんとかしてくれるだろう。
「……仲良いんだネ、若利くんと」
「まあ、そうですね」
一般的な家庭よりは兄妹仲は良いと思う。
なんだかんだ、兄の考えることが理解できるし、思考回路は似ているのかもしれない。
そんなことを話している内に、我が家の明かりが見えてきた。
「もうそこなので、この辺で大丈夫です」
「あ、ホント?」
「はい、ありがとうございました」
私は立ち止まって、天童さんの方へ振り返り、深く礼をする。
「兄のこと、よろしくお願いします」
天童さんはこちらに向き直ると、ニヤッと笑った。
「いちゃんと若利くんって、似てるけど似てないネ」
「えっ」
顔を上げると、天童さんはまた話そうネ〜と手を振りながら去っていった。
「……やっぱり似てないよなぁ」
今度会う時はもう少し髪を整えようか。
そんなことを思いながら、私は門を開いた。
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