【リョーマの親戚編1】
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『夜空の密会?』
_
_「今日で合宿も最後か」
ドリンクのグラスを片手に星空を見上げては想いに耽る。
最初、肝が冷えたものの、その後のサバイバル合宿は面白かった。
_(今度、リョーマとキャンプでも行こうかな。ソロキャンも良いけど)
そう思っているとポケットの中のスマホが、アラームを振動で知らせる。
それを取り出しては停止して、
_「…そろそろ、かな」
晩餐会を開始して直ぐに届いたライソ、
発信主の相手は見知った人。
***はグラスをテーブルに置いては、パーティ会場の外れた方へ歩いていく。
?「ねぇ、どこに行くの」
声は、後方から袖を引くのと同時に聞こえた。
_「あ、リョーマ。ちょっと呼び出されてさ。お願いだから邪魔するなよ?」
少し困ったように八の字眉をして、***は約束の場所に向かった。
パーティ会場から寝泊まりしている建物の横、少し開けている上に街頭の明かりが淡く届く場所。
既に相手は来ていた。
サバ主「あ、***くん。呼び出しちゃって、ごめんね」
_「別に良いよ。今日で最後だしさ」
サバ主「…あっという間だったね、…」
***は、相手が言葉選びをしているのを口元を上げて待ち佇んでいる。
ショートヘアの彼女は、意を決したように顔を上げて***に告げた。
サバ主「あのね、この合宿で一緒に過ごしてて、えと色々と面倒見てくれたりしてくれた***くんのこと、…好き、です。だから、その」
呼び出しの内容は察していたものの返事はせず、困り眉になる***。
サバ主「つ、付き合って…ほしいの」
きっと好感度が高い相手なら困ることはなく、彼女の勇気を出した告白を受けるのだろう。
_「…うーん」
少し考える様子を見せると、彼女は赤い顔をして泣きそうになるのを堪えているようにも見えて気が引ける。
_「オレさ、あの…」
サバ主「う、うん。」
続きを言おうと口を開けようとした時、
『ダメだよ』
そんな声が降ってきた。
揃って上を見上げると、2階の窓からリョーマが2人を見下ろしている。
サバ主「りょ、リョーマくん?」
リョ「他の人なら見て見ぬふり出来たけど、***はダメ」
そう言ってリョーマは、窓を乗り越えて木の枝を使い、軽々と2人の側に着地した。
_「リョーマ、危ないだろ」
リョ「2階なら問題ないよ」
サバ主「ど、どうしてリョーマくんがダメって言うの? わ、私は、***くんに…」
リョ「理由は言えない、***の事情だから」
跡「その事情とやらに興味はあるが、今は其れどころじゃねぇ様だな」
建物の壁から姿を表したのは、跡部と幸村。
幸「ごめんね、聞くつもりでは無かったんだけど」
申し訳なさそうな幸村には小さく首を振り、跡部に対しては溜め息を吐いた。
_「部長も着けてたんですか?」
跡「パーティ会場から手洗い場は別の方向だ、何かあると思うのが普通だろう」
幸「敷地内とは言え夜だしね、暗くて危ない」
***は細く息を吐いて、彼女に向き直る。
_「ごめんね、今は事情が話せないから付き合うことは出来ないんだ。だから良かったら友達から始めよう?」
サバ主「…もし、相手が私じゃなくて●●(サバ主の友人)だったら告白、受けてた…?」
彼女の声は涙を堪えて震えている。
***は首を横に振りながら、彼女の手を取り握った。
_「ううん、断ってるよ。
オレは、あの子のこと何も知らないしさ」
サバ主「そっか…。…うん、友達でも嬉しい」
《あなたのことを知ったら、もっと好きになってしまうかもしれないけど。その時なら付き合ってくれるかな…》
_「友達なら問題ないだろ?」
リョーマを見ると、帽子を下げて顔を隠す。
リョ「仕方ないね」
_「素直じゃないなぁ、」
なんて、やり取りをしていると幸村がスマホを持って近寄って来た。
幸「オレにもライソ教えってもらっても良いかな、2人とも」
などと言いつつ、幸村が知りたい相手は***だけだ。
_「別に構いませんよ」
スマホを取り出す***の横で同じように彼女もスマホを持っている。
自分が好意を持たれていると思ったのだろうか。
まぁ、立ち直ってくれるなら何でもいいか。
幸「うん。ありがとう」
そう微笑んで口にする幸村の瞳は少し輝いている。
_(幸村さん、この子のこと好きなのかな。もしかしたらオレはダシに使われたのか…?)
跡「…。オラてめーら、まだ飯の途中だろう。山ほど用意したんだ、続きは味わってからライソでやれ」
幸「オレは充分に楽しんだけど、君たちは?」
_「オレは少し食い足りないっスねー」
リョ「オレも」
サバ主「私も、少し…食べようかな」
ワイワイと話しながらパーティ会場に戻っていく彼ら。
ボソッ、と呟きが聞こえて。
_「助かったよ、リョーマ」
リョ「当たり前じゃん」
帽子の下で嬉しそうに笑み浮かべては、リョーマは***の手を取り繋いで走り出す。
サバ主「あ、待ってー」
それを追って彼女も駆けていく。
すっかり元気を取り戻した様子だ。
幸「意外だったな」
跡「何がだ」
幸村が跡部をジッと見つめる。
跡「ウチのルーキーを、そう簡単にやれる訳ねぇだろ。アレは氷帝のもんだ」
それは延いては氷帝=跡部、のものだと言っているようなものだ。
幸「フフッ、久しぶりに骨が折れそうだな」
そう微笑んでは幸村も自分達の仲間の元へと帰っていった。
跡「まったく…ウチのルーキーはライバルが多くて困るぜ」
悪くないという風に笑み浮かべては、跡部は真っ直ぐ彼らの元へと歩を進めた。
_2022.10.18...なならび
_
_「今日で合宿も最後か」
ドリンクのグラスを片手に星空を見上げては想いに耽る。
最初、肝が冷えたものの、その後のサバイバル合宿は面白かった。
_(今度、リョーマとキャンプでも行こうかな。ソロキャンも良いけど)
そう思っているとポケットの中のスマホが、アラームを振動で知らせる。
それを取り出しては停止して、
_「…そろそろ、かな」
晩餐会を開始して直ぐに届いたライソ、
発信主の相手は見知った人。
***はグラスをテーブルに置いては、パーティ会場の外れた方へ歩いていく。
?「ねぇ、どこに行くの」
声は、後方から袖を引くのと同時に聞こえた。
_「あ、リョーマ。ちょっと呼び出されてさ。お願いだから邪魔するなよ?」
少し困ったように八の字眉をして、***は約束の場所に向かった。
パーティ会場から寝泊まりしている建物の横、少し開けている上に街頭の明かりが淡く届く場所。
既に相手は来ていた。
サバ主「あ、***くん。呼び出しちゃって、ごめんね」
_「別に良いよ。今日で最後だしさ」
サバ主「…あっという間だったね、…」
***は、相手が言葉選びをしているのを口元を上げて待ち佇んでいる。
ショートヘアの彼女は、意を決したように顔を上げて***に告げた。
サバ主「あのね、この合宿で一緒に過ごしてて、えと色々と面倒見てくれたりしてくれた***くんのこと、…好き、です。だから、その」
呼び出しの内容は察していたものの返事はせず、困り眉になる***。
サバ主「つ、付き合って…ほしいの」
きっと好感度が高い相手なら困ることはなく、彼女の勇気を出した告白を受けるのだろう。
_「…うーん」
少し考える様子を見せると、彼女は赤い顔をして泣きそうになるのを堪えているようにも見えて気が引ける。
_「オレさ、あの…」
サバ主「う、うん。」
続きを言おうと口を開けようとした時、
『ダメだよ』
そんな声が降ってきた。
揃って上を見上げると、2階の窓からリョーマが2人を見下ろしている。
サバ主「りょ、リョーマくん?」
リョ「他の人なら見て見ぬふり出来たけど、***はダメ」
そう言ってリョーマは、窓を乗り越えて木の枝を使い、軽々と2人の側に着地した。
_「リョーマ、危ないだろ」
リョ「2階なら問題ないよ」
サバ主「ど、どうしてリョーマくんがダメって言うの? わ、私は、***くんに…」
リョ「理由は言えない、***の事情だから」
跡「その事情とやらに興味はあるが、今は其れどころじゃねぇ様だな」
建物の壁から姿を表したのは、跡部と幸村。
幸「ごめんね、聞くつもりでは無かったんだけど」
申し訳なさそうな幸村には小さく首を振り、跡部に対しては溜め息を吐いた。
_「部長も着けてたんですか?」
跡「パーティ会場から手洗い場は別の方向だ、何かあると思うのが普通だろう」
幸「敷地内とは言え夜だしね、暗くて危ない」
***は細く息を吐いて、彼女に向き直る。
_「ごめんね、今は事情が話せないから付き合うことは出来ないんだ。だから良かったら友達から始めよう?」
サバ主「…もし、相手が私じゃなくて●●(サバ主の友人)だったら告白、受けてた…?」
彼女の声は涙を堪えて震えている。
***は首を横に振りながら、彼女の手を取り握った。
_「ううん、断ってるよ。
オレは、あの子のこと何も知らないしさ」
サバ主「そっか…。…うん、友達でも嬉しい」
《あなたのことを知ったら、もっと好きになってしまうかもしれないけど。その時なら付き合ってくれるかな…》
_「友達なら問題ないだろ?」
リョーマを見ると、帽子を下げて顔を隠す。
リョ「仕方ないね」
_「素直じゃないなぁ、」
なんて、やり取りをしていると幸村がスマホを持って近寄って来た。
幸「オレにもライソ教えってもらっても良いかな、2人とも」
などと言いつつ、幸村が知りたい相手は***だけだ。
_「別に構いませんよ」
スマホを取り出す***の横で同じように彼女もスマホを持っている。
自分が好意を持たれていると思ったのだろうか。
まぁ、立ち直ってくれるなら何でもいいか。
幸「うん。ありがとう」
そう微笑んで口にする幸村の瞳は少し輝いている。
_(幸村さん、この子のこと好きなのかな。もしかしたらオレはダシに使われたのか…?)
跡「…。オラてめーら、まだ飯の途中だろう。山ほど用意したんだ、続きは味わってからライソでやれ」
幸「オレは充分に楽しんだけど、君たちは?」
_「オレは少し食い足りないっスねー」
リョ「オレも」
サバ主「私も、少し…食べようかな」
ワイワイと話しながらパーティ会場に戻っていく彼ら。
ボソッ、と呟きが聞こえて。
_「助かったよ、リョーマ」
リョ「当たり前じゃん」
帽子の下で嬉しそうに笑み浮かべては、リョーマは***の手を取り繋いで走り出す。
サバ主「あ、待ってー」
それを追って彼女も駆けていく。
すっかり元気を取り戻した様子だ。
幸「意外だったな」
跡「何がだ」
幸村が跡部をジッと見つめる。
跡「ウチのルーキーを、そう簡単にやれる訳ねぇだろ。アレは氷帝のもんだ」
それは延いては氷帝=跡部、のものだと言っているようなものだ。
幸「フフッ、久しぶりに骨が折れそうだな」
そう微笑んでは幸村も自分達の仲間の元へと帰っていった。
跡「まったく…ウチのルーキーはライバルが多くて困るぜ」
悪くないという風に笑み浮かべては、跡部は真っ直ぐ彼らの元へと歩を進めた。
_2022.10.18...なならび
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