「始まり」

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主人公




そう言って案内されたのは地下牢。


ハ「申し訳ないんだけど少しココで待っていてくれるかい」


ハンジの判断は当然のことだと思い、頷いて大人しく従う。


ハ「すぐに呼びに来るからさ」

_「はい、」


#
が牢に入ると、ハンジは鍵をかけて階段を上がっていった。

簡素な寝台にトイレ付とは、なかなかに揃っていると言える。


暫くして暇を持て余し始めた#
は、何かないかと寝台の下を覗き込んだ。

と、そこに本のようなものが落ちているのを見つけて、それを手に取る。


何の本だろうか、どれくらいの年月を経たか分からないが随分と古ぼけていてボロボロだ。

表紙の埃を払って開いてみる。


_「やっぱ読めない、か」


見たことのない文字。

各地を旅していた#
は、ある程度の知識があり、読めなくとも何処の文字であるのかぐらい認識できる。

その#
が分からないとなると、ある可能性が浮かんで首を振った。

本を閉じて元の場所に戻すと、足音が聞こえてタイミング良くハンジが戻ってくる。


ハ「やぁ、待たせたね。ごめんな、牢に入ってもらって」

_「いや、怪しいだろうし別に良いよ」

ハ「これも決まりでさ」


ハンジが牢の鍵を、扉を開けてくれた。


ハ「君の話を聞かせて欲しいんだ、団長達がいる部屋に移動しよう」


ハンジの後に着いて階段を上がり木造の廊下を歩きながら、窓の外を見やる。

そして、あるドアの前で立ち止まり、#
を振り返るハンジ。


ハ「1人とてつもなく目つきの悪いのが居るんだけど悪い奴じゃないから」

_「はぁ…」


ハンジによってドアが開かれる。

中に入ると、横長の机に並ぶ椅子と、そこに座る数人の兵士たち。

奥の上座に金髪の男、窓際の席に例の目付きの悪い男が机に肘を着いている。


リ「遅ぇ」


と、一言。


ハ「そんなに時間は経っていないだろう」


苦笑いするハンジ。

彼の座っている位置からして団長の次に偉いようだ。

ハンジの話では、彼は《兵士長》と呼ばれる兵達のリーダーであるという。ハンジら分隊長を取り纏める立場なのだと聞いた。

ハンジは彼の隣の席に着く。


ハ「君はソコに座ってくれ」


そう示された場所は廊下側の一番手前。
奥から4番目の席だ。

上座から3つの席には、先程の少年たちが座っている。#
は金髪の少年の隣の席に座った。



ハ「そういえば、まだ名前を聞いてなかったね」

「あぁ、オレは#
です。#
・アリデルデ」

エル「初めまして、#
。私はエルヴィン・スミス。ハンジから聞いたかもしれないが、この調査兵団の団長を勤めている」


上座の男が自己紹介する。


エル「そして彼が兵士長のリヴァイだ」


リヴァイと呼ばれた男は#
を睨みつけると、チッと舌打ちをした。


(感じ悪っ)


ハンジはリヴァイの様子を気に留めることもなく、向かいに並ぶ3人の紹介を始めるところを見ると、よくあることのようだ。


ハ「奥からエレン、君を見つけた。その幼馴染のミカサとアルミン、彼らは今年の104期兵だ」

「よろしく」


頷いて、彼らに挨拶する。


エル「さて、まずは君を発見するに至った流れから説明しようか。ハンジ」

ハ「あぁ、我々は壁の上で見張りをしていた駐屯兵団から『門から程遠くない巨木の森で謎の光を見た』という報告を受けた。そしてエレンたちを連れて現場に向かい、周辺を捜索。

そしたらエレンが木の枝に引っかかっていた#
を見つけて、エレンの馬の上に落下。驚いた馬が走り出したのを追いかけたら調査兵団の厩に戻っていて、馬の背に気絶した君が乗っかっていたという訳だ。

そして私たちが君を救護室に運んだんだ」


#
は机に広げられた地図を見つめている。


ハ「#
は自分が木の上にいた事情を覚えているかい?」


ハンジの問いに、#
は首を横に振った。


「不審に思われるだろうけど、残念ながらオレには気絶する前の出来事が一切思い出せない。同じものかは分からないけど、最後に目も開けてられない程の光に包まれたことだけは」

ハ「やっばりそうかぁ」

_「勘付いてた?」

ハ「様子がおかしかったからね」

_「それで、ちょっと聞きたいんだけどさ」


#
は机に広げられている地図の、城と街を取り囲む線を指差して。


_「この線って国境か何か?」

ハ「あぁ、壁だよ。壁」

_「壁??」

ハ「見たことないか?それなら君は、どこからから逃げてきたのかな。出身は?」

_「…南のダブリスだけど」

エ「ダブリス?聞いたことねぇな。さては、お前とんだ田舎者なんじゃねぇのか?」

_「いや住んでたのは中央区だし田舎者じゃないと思うけど」

エ「は?中央?!」


エレンの剣幕に目を丸くする#
が、片手を頭に当てながら、もう片手を前に突き出す。


_「ちょ、ちょっと待って。食い違ってる気がする」

ハ「私も同感だよ。なぁ、#
。もしかして君が住んでいた中央区って、この地図には書いてないんじゃないか?」


ハンジの言葉に周りの一同が呆然とする、約一名を除いて。


リ「そういうことか、マジで言ってんのか?」

ハ「それ以外に説明がつかないだろ」

_「そうなんだろうなぁ…」


何やら3人で納得しあっているが周りには理解が及ばず、エルヴィンが口を挟む。


エル「どういうことだ、ハンジ」

ハ「とんでもない話だけどさ、端的に言うと#
は『この世界とは別の世界』から来たってこと」


ハンジの言葉に周りが唖然とする。


ア「…別の、世界…?」

_「理解してもらうには色々と確認していかないとだな」

ハ「そうだね」

_「まずオレが知りたいのは、この壁とやらが何なのかってこと。救護室の窓から見えた、あのやたら高い塀がそうなんだろ?」

ハ「そうだよ、あれで壁外と内側を隔てているんだ」

_「何のために?」

ハ「巨人の侵入を防ぐためだよ」


そこで登場した新たな単語に、また#
は眉を顰める。


_「巨人??」

エ「お前、本当に巨人を知らないのか?」

ハ「まだ見たことないか。そうだね、気絶してたんだもんね」


ハンジは#
に、まずは巨人を見てもらって、と段取りを組みはじめている。


_「あと、もう一つ。これはオレにとって重要なことなんだけど、この世界に『錬金術の定義』って存在する?」

ハ「また突拍子のないこと言い出すね」

_「オレにとっては凄く大切なんだ」

ハ「錬金術か…」


ここで、今まで話を聞いていただけだったアルミンが言葉を挟む。


ア「錬金術って、石を金に変えるっていう?」

_「そ、オレの世界では、恐らくこの世界の巨人と同じぐらい重要」

ハ「それは重要だね!」


声を高くしたハンジのテンションにエルヴィンは小さく溜め息を吐く。




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