優しさじゃない
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『3時のおやつのパンケーキはふわふわの厚いタイプか昔ながらの薄いタイプを何枚も重ねるかどっちがいいと思いますか?』
「それ占い関係ないよね。」
『理想のおやつじゃないですか。付け合わせはベリー系にするかチョコソースにするか。』
「ボクに聞く必要ないんじゃないかな。」
『紅茶にレモンは入れるべきか入れないべきかで悩んでいるんです!』
「それは種類にもよる…じゃなくて、ウチは占いの店だから!」
本当に頭が痛い……
セイラが何を考えているのかわからない。
わざわざ行列に並んでお金を払ってボクと雑談したいほどファンって訳じゃないだろうし、悩みはあるがそれを話すキッカケを待ってるというところか……
「よし、こうしよう。話をしたいだけならこれ以上相手はできないし、お金も受け取れない。その代わり、店を閉めたあとの少しの時間なら話し相手になろう。」
ココの一言にセイラの表情は心なしか嬉しそうに見える。
これがキッカケになればいいけど…
ーーーー次の日
満面の笑みのセイラの手には白いケーキ箱があった。
『ココさんがお疲れかと思って甘いものを買ってきました!!』
思わず飛び出しそうになったため息を飲み込んでセイラを店の中へ迎えた。
これは占いじゃなくてボクの勘だけど、セイラが悩みを話してくれるまではまだまだ時間が掛かりそうだ。
『ココさんと何をお話しようかと考えていたらですね…』
「お腹減ってきちゃったんでしょ?」
『すごい!なんでわかったんですか!?』
「……紅茶を淹れてくるから座って待っててくれ。」
二組のティーカップにアールグレイを注いで持っていくと鼻歌交じりに箱からケーキを出しているセイラがいた。
本当に甘いものが好きらしい。
ふと思わず笑みが溢れる。
『このケーキ、すっごく美味しいって有名なんですよ!』
「食い意地張ってるなあ。」
『ココさん!?』