第一話
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セイラの一言に張本人とココは少なからず落ち込んでいるように見えた。
どんよりした空気に見かねた小松が別の話題を振ってくれた。
「コ…ココさんって占いもしてるんですか?」
「この町じゃあ占いの方が本職だよ。」
「へえー。」
「フン…会長は嘆いてるだろうぜ……そーいやゼブラの奴は何やってんだ?」
「あいつは捕まったよ。今はグルメ刑務所だ。」
「わっはっは!ついに捕まったか、あの問題児!」
「局長も泣いて馬謖を斬る思いだったろう…仕方がないことだ…」
「はっは……思い出すなあ。5人で死に物狂いで…庭で修行した日々をよ……いつの間にか…オレら4人は四天王なんて呼ばれるようになって…セイラの奴は……くくくっ」
トリコめ。さっきの仕返しのつもりか。別にトリコの邪魔をしようと思ったわけじゃないよ?ていうかトリコのアシストでああなったんですけど!?
「フ…昔の話だ…さあ、見えたよボクん家が…」
「……?でもココさん。そこ断崖絶壁…」
断崖絶壁の向こうに切り立った岩場の上に一軒の家が見えた。そこに住んでいるのだろう。人を寄せつけない生活をしているようだ。
「キッス!」
ココの呼びかけに大きく成長したエンペラークロウが4人の元へ舞い降りた。
「わ"ーーーーーー!カラスのバケモノーーーーっ!!」
「空の番長エンペラークロウか。こいつは絶滅種じゃねーか…」
『大きくなったね、キッス。』
キッスはココを見たあと、セイラをじっと見つめた。碧がかった漆黒の瞳にセイラが映る。体を撫でると気持ちよさそうに瞳を細めている。
『よしよし、いい子いい子ー!』
「家族のキッスだ。よろしくな。さて…4人運べるかキッス?トリコは重いぞ。」
ココの家まで移動するとキッスはセイラに甘えてすり寄ってきた。
『キッスは甘えん坊だなあ。私、あとで行くから。』
「あぁ。よろしく頼むよ。』
三人が家の中に入る時、セイラに聞こえないような小声でトリコがココに耳打ちをした。
「随分懐いてるみたいだな。」
「…………座って待っててくれ。」
セイラが手を広げるとキッスは甘えるようにすり寄ってくる。セイラが落ち込んでいると思って慰めてくれているらしい。
悲しいかな自業自得なんだよ…
『優しいね、キッス…ありがとう。』
ココが第一級危険人物に指定され隔離されかけた時、トリコ、ゼブラ、サニー、リンに協力してもらってココを連れ出した。ココが第一級危険人物に指定されたのは私のせいだ。あれからココは美食屋を辞めてしまった。
キッスと別れ、家の中へ入ると三人の視線がセイラに集まる。ココの表情からまだ行くのを渋っているようだ。
ひとつ空いていたココの隣に腰かけた。
『何の話?』
「セイラならデビル大蛇くらい千切っては投げできるだろうって話。」
『デビル大蛇の前にトリコを千切って細切れにしてあげようか?』
「こ、こえー……」
『ねえ、ココ。』
ココの双眼を見据える。ブラウンの瞳にセイラが映る。
『何があっても私が守るよ。』
「ーーーーそれはボクのプライドが許さないよ。 」
『ふふっ。じゃあ私とトリコの手伝いしてくれる?今回は小松くんもいるしさ。』
「ちょっとセイラさん!お荷物みたいな言い方ー!!」
「小松…お前は勇敢だったって伝えといてやるよ。」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ、トリコさん!!」
トリコ、セイラ、小松の様子を見ていたココは漸く口を開いた。
「……わかった。同行しよう。」
「おーっしゃあ、さすがココ!!それでこそ美食屋だぜ!!報酬はホテルグルメのレストラン一生食べ放題でどーだ?」
「ダメですよ、そんなの!!何でボクのホテルが出てくるんですか!!」
『じゃあ私ならいい?』
「ダ…う〜〜〜……ダメ…です……」
小松の狼狽ぶりにどっと笑い声があがった。
トリコとセイラにつられてココも楽しそうに見える。
久しぶりにあんな表情を見た気がする。
微笑んでいたココだが急にハッと真顔に戻ると小松の顔を凝視している。
もしかして……死相が見えてる?