第一話
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白髪リーゼントのおじいさんと別れ、トリコ、セイラ、小松は列車を降りた。
グルメフォーチュンは古くから易学で栄えた町だ。近年はグルメ産業の発展に伴い、グルメ関連の企業や投資家、さらには一般のデイトレーダーが客のほとんどとなっている。適当にグルメ相場を占うインチキグルメ易者も多いが、それでもこの町の占いの信用性は高い…
「そ…それにしても…初めて見ましたよ、白髪のリーゼント…ファンキーなおじいさんでしたね……」
「『……………』」
「さあ、着いたぜ小松。」
「ハ…ハイ!この町にフグ鯨を捌ける人がーーーって、アレ?人っ子一人いませんよ…」
「うーん…猛獣が出る時間帯なのかな?」
「えっ!!?この町って猛獣が出るんですか!?あ、ホントだ!!」
「たまーに出るらしい…」
町の入り口には猛獣注意の標識が立っていた。
小松はまだ猛獣に遭遇してないにも関わらず軽くパニック状態だ。
『この町の占い師が危険な動物が近づく時間帯を占って…住民がそれに合わせて毒壁でできた家に身を隠す。ここ数十年、町の住民で猛獣に襲われた者は一人もいない。それがそのままこの町の占いの信用に繋がってるってわけ。』
「そ…そういえばフグ鯨の情報も元々はこの町の占いがキッカケという噂もありますよね。それでイキナリ市場は大騒ぎになったってワケですね…」
「……えらく詳しいじゃねーか、セイラ。」
『…何が言いたいの……?』
「別に…何もねえよ。」
セイラが睨みつけるように鋭い視線を向けるがトリコはニヤニヤが収まらないようだ。
「あっ!人だ!!人がいましたよ!!危険な時間帯なのに…」
「おっ」
『えっ…』
目の前の通りの向こうに人影が見えたと同時に家より大きな猛獣が現れた。
「わあぁあぁあ!猛獣だぁーっ!!」
「わざわざ迎えに来てくれたのか…てかオレらが来ることは知ってたって感じだな。なぁ、セイラ?」
『やっぱりむり…!』
「あ?」
心臓が早鐘を打っている。来るのが早すぎる。まだ心の準備も整ってないのに…混乱して思わず背中を向けてトリコの後ろに隠れてしまった。
猛獣は人影を襲う気配を見せたが直前でやめると顔を背けて何処かへ行ってしまった。
「嫌な客が来たもんだな。猛獣の方がずっとカワイイ。」
「ハッハッハ!フルコースは完成したかい、ココ?四天王一の優男よ!」
「あと3つかな。お前は?トリコ。四天王一の食いしん坊ちゃん。」
ココはセイラの存在に気づいていないようだ。トリコの体が大きくて助かった…
「…え……ト…トリコさん…ま、まさか…この方って……四天王の一人…!!!美食屋ココ!!!フグ鯨を捌ける人ってこの方ですかぁあ!!?」
「オメー声がデケーよ、小松!うるせえ。いつもいつもリアクションがハンパねーんだよ、お前は。もっとおしとやかに驚けねーのか?もっと、こう…上品によ。」
「おしとやかに驚く?…す…すみません、つい…」
「気にすることはないよ…水清ければ魚棲まず…人間多少クセがある方がかえって好まれるということがある…キミのその品性のカケラも感じさせない目を見張るほどの図々しさが逆に親しみやすさを周りに与えているハズです。」
相変わらず占いの結果を伝えるかの如くズバズバ言うよね…
「つーか、お前はいつまで隠れてんだ。」
『うっ……』
「いつもの強気はどーした!ほら!」
トリコを壁代わりにして顔を覗かせるとココの驚いた顔が見えた。セイラのことは占えないと言っていたが本当らしい。
「……セイラ…!」
『久しぶり。』
声がうわずった。恥ずかしい。堂々としろ、私!
トリコの影から出て真っ直ぐ前を見据える。目の前にいる人物は紛れもなく会いたかったあの人で。少し会わない間に随分大人になっていた。
「セイラ…会えて嬉しいよ。」
ココの優しい笑みがセイラに向けられる。
私も会いたかった。
セイラが口を開く前に町がざわめき始めた。家の中に身を隠していた住民たちが外に出てきたみたいだ。
「な…何だ今の品のない大声は!?」
「品性のカケラもない人の声がしたぞ!!」
「もう猛獣は去ったのか!?」
「あっ!ココ様!!」
「ココ様だ!!」
「猛獣を追っ払ってくれたんですね!?」
「キャー、ココ様ぁ♡」
何だコレ
どんどん人が出てきたと思ったら黄色い歓声があちこちから集まってくる。
「「『ん…』」」
住民の女性たちが雪崩のようにココを取り囲んだ。
「んも〜〜、さすがだわココ様ぁ♡」
「ステキーーー♡」
「や…やめろ!ボクに触るのはやめてくれ!!」
「ココ様ぁー、私を占ってぇ♡私とココ様の未来を♡」
「何言ってんザマスわたくしよ!!わたくしとココ様の今後ザマスよ!!占ってもらうのは!」
「今後って何よ!今までも別に関係ねーだろ!ババァはスッこんでろ!!」
「ババァって誰にぬかしてんザマス!!」
「や…やめろ〜!今日は占いは休みなんだよ〜!!」
何コレ。
何、女の人に囲まれちゃってるわけ。そりゃ昔から女の子に人気なのは知ってたけど実際目の前にすると違うっていうか、早く出てこいっつの。別にイライラしてないし、ていうか私だって話したいし正直羨まし
「ト、トリコさん…セイラさんが…」
「オレたちは知らないフリをしろ。ヘタに近づいたら血を見るぞ…!」
『ハッ!べ・つ・に、怒ってませんけど!?私、先に行くから!』
「セイラさん、待ってくださいよ〜!!」
ココなんて知らない!
勝手にすれば?!