第一話
夢小説設定
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一旦ふた手に別れたトリコとセイラは各々の買い物を済ませると早々と合流して街の出口に向かっていた。
トリコに買い物袋を持ってもらい、小包を大事そうに抱えたセイラはほくほく顔だった。
「嬉しそうだな。」
『もちろん!今回は諦めようと思ってたし。』
「それぐらい買えばよくね?」
『ほら、これこれ。』
セイラが後ろに視線を移すとふかふかの銀毛の尾がパタパタと動いた。
『マナーは守る方だからさ!』
「ドヤ顔すんな。」
トリコとセイラが歩いていくと街の出入り口に背の低い男が立っていた。男はこちらを見るなり「あーーーーーーっ!!!」と大きな声をあげた。
『うるさ…』
「バカ小松!声がデケェよ!!」
「す、すみません!ていうかトリコさんヒドいですよーっ!僕ずーっとここで待ってたんですよ!?」
小松と呼ばれた男はトリコに対して臆面もなくプリプリ怒っている。こういう人は珍しい。四天王の中でもトリコは温和な方だ。だからといってこれだけ素直に感情をぶつける人は多くない。
『トリコ。まさかとは思うけど…』
「おう。小松も一緒に行くぞ。」
「小松です。よろしくお願いします!」
初対面の人と海ってハードル高くない?
最初に言ってくれればよかったのに。
「知ってたら来なかっただろセイラ。」
『よろしくね、小松くん。』
「ハイ!!」
トリコの白い視線が向けられるがセイラが無視している時、強風と共にバサバサと羽音が聞こえてきた。
3人のもとに雪のように白い毛並の大きな翼を持つ馬が降り立った。
『スノー、よく来てくれたね。』
「デカくなったなあ!」
スノーと呼ばれた馬はトリコが見上げるほど大きい。幼い時にセイラが保護して以来ずっと一緒だ。
「あ、あの!!」
「『なに?』」
小松はセイラの顔をまっすぐ見つめるといきなり頭を下げた。鼻息が荒くて怖い。
「ひ、一目惚れです!!僕と結婚してください!」
『ごめんなさい!』
なんだこの男は……
セイラが引き気味でいるとトリコが小松の頭を引っぱたいた。
「アホか、小松!見る目なさすぎんだろ!料理はド下手、オレすら投げ飛ばすトロルコングよりゴリラに近い女の皮を被ったゴリラだぞ!」
『私、ナイフ捌きは自信あるけど披露しようか?』
「何言ってるんですかトリコさん!ぼ、僕、こんなに綺麗な人初めてお会いしました!!ボクと結婚を前提にお付き合いさせてください!!」
バッと差し出された小松の手のひらを眺めながら視線を上げていくとその向こうで額に手をあててゆるゆると頭を振るトリコが見えた。