第二話
夢小説設定
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「ゴチャゴチャ言うんじゃねーよ!おら、行くぞ!」
『うわっ!?』
トリコは無理矢理セイラを担ぐとロープを伝って降りていく。
『……強引…』
「細かいこと言うなって!」
半分ほど降りてきたとき、セイラの耳に微かな羽の音が聞こえた。
『…何かいる。』
「何かいるじゃわかんねーよ。」
『じゃあ何か飛んでる。』
「お前な…」
柄のある無数の羽の音。長い足…
下から響いた悲鳴のあと、トリコがそれを噛みついて捕まえた。
『ひええ…!ドン引きだよトリコ!』
「あん?うめーぞ?」
『だってキモいじゃん!!』
「なんだと!?キモい言うな!」
セイラとトリコが言い合っていると下からココの声が聞こえた。
「セイラ!トリコぉ!アゲハコウモリだ!!一気に降りるぞ!!」
「ああ…今、一匹つかまえたところだ。」
「ぎゃーー!食べてるーー!キモいーー!」
「おっしゃ。しっかり掴まってろよ、セイラ。」
『……トリコが掴んでるんでしょ…』
一気に下まで降りていく途中でトリコから離れて地面に着地する。進行方向からアゲハコウモリの群れが襲ってきた。
「わ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」
「フン…いい度胸だ、コウモリども。いただきます。」
アゲハコウモリからは怯えの色が見える。こんな状態では話も通じない。
トリコとココは襲ってきた個体は仕留めたようだ。
セイラの目の前に新たな群れが迫ってきた。避けようにも道いっぱいを塞いでいる。人差し指と中指を立てて指先に力を込める。避けきれない個体は素手でノッキングをした。動けなくなったアゲハコウモリがバラバラと地面に落ちた。
「素手でノッキングか…しばらく会わない間に腕を上げたな。」
「セイラ、これ食っていい?」
素手のノッキングは借金生活の時に覚えた技術だ。ある時は気にならなかったが、ない時のノッキングの弾もけっこう高価で財布に響いた。あまりかっこいい話じゃない上にココに気を遣わせたくないから黙ってよう。
『…アゲハコウモリからは恐怖と怯えの色が見えたよ。』
「ああ…何かから逃げている感じだ…」
「なあ、これ食っていい?」
「む!?こ…小松くんは!?」
ココの言葉に周りを見渡すと小松の姿が見えない。
「いない…小松う!!」
『ココ!トリコ!こっち!!』