第一話
夢小説設定
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小さくも活気付く街に一人の女が入っていく。深く被られたフードからは垂れる銀髪と共に腰元の獣の尾が優雅に揺れていた。女の細い指が首元のチョーカーのペンダントトップに触れるとチリリと音が鳴る。
私はチェインアニマルだった。
フードの下には本物のオオカミの耳と腰には尻尾が生えている。バトルウルフのものだ。
四天王の面々もチェインアニマルだったが、彼らは外から来た外の世界で生きる人たちで、私は研究所で生まれ、そして育った。
彼らの協力を経て外の世界を夢見て研究所から飛び出した…ってここまではよくある話。
ではその後の生活は?
それはもう色々あったよ。
今でこそ自分の体を使いこなして人型、獣人化、獣化と状況によって変化させられるが当時は獣人化しかできなかったんだ。
人並の苦労と人並の恋をした。
これはそのうんと後の、人の世界に慣れてからの話。
『えーっと生活用品の他に必要なものは買ったし、あとは…なんだっけ?』
セイラの問いに答えるようにどこからかピピッと電子音が鳴った。それと同時に眼前にホログラフが映し出された。そこには文字が並んでいる。
『………うーん。買い忘れはなさそう。もういいよ、ありがとう。』
スゥ…と溶けるようにホログラフが消えた。
今日は時間に余裕があるしブラついてから帰ろう。浮かれて尻尾をブンブン振らないよう気をつけなきゃね。
街を歩いているとある店の前で足が止まった。ショーウィンドウの向こうには色とりどりの煌びやかな包装が並ぶ。
ショーウィンドウの中を眺めているとポンと肩を叩かれた。
「よお!セイラじゃねーか!こんなとこで何してんだ?」
『依頼が早く終わったから買い物。トリコこそ珍しいね。』
「セイラ、海好きだったろ?一緒に行かね?」
『今から?人混みは苦手だし水着持ってないよ。』
「穴場だから安心しろ!水着は買ってこればいいだろ。なるべくセクシーなヤツな!」
『○ネ。』
「ごめ…」
『うーん……』
ちらと横に視線を移すとセイラがニコリと笑った。
『付きあってあげるから代わりに買ってきて。』
「んあ?」
『そんじゃ、よろしくー!!』