第四話
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例によってベッドに押し込まれることになったのだがココはセイラが寝つくのを見守るまで離れる気はないようだった。
『…………逆に寝れませんが!?』
「気合で寝ろ。」
『無茶苦茶だ……』
時計を気にするくらいなら早く戻ればいいのに。律儀というかマメというか。だいたい寝ろと言われて寝られるものでもないのだが。
『さっきからあまーい匂いがするんだけど。気になるなあ、っと。』
「……………甘い匂い?」
『うんうん。たまにしてたけど今日はすごく匂う。甘くて……私が知ってる中で1番甘い匂いだなあ。』
「ーーーーーーあっ!」
ココは手で顔を覆ってちらりと視線だけよこしたけどもう遅い。ニヤニヤと悪いことを考えている時のセイラはしつこい。誤魔化すことはできないと諦めたココは絶対に内緒だ、と念を押すとポシェットから綺麗な赤色の個包装された袋をセイラの手にバラバラと落とした。
『わっ、わっ、』
「チョコレートって知ってる?」
『本で見たことあるよ……これがチョコレート………美味しくなさそう。』
「袋の中身がね。所長には外の食べ物は与えちゃ駄目って言われてるけど少しなら大丈夫だろう。食べてごらん。」
ココはセイラの手から袋をひとつ取ると開いて中身を取り出してくれた。光沢のある茶色の楕円形のそれは圧倒的な存在感を放つ甘い匂いと共に見た目には味の想像をつかせない不思議な魅力がある。ココに促され恐る恐る口に放り込む。
『ん〜〜〜〜〜〜!あまーーーーい!』
「ははっ!それ食べたらちゃんと寝るんだよ。ボクはそろそろ戻らないと。今度は脱走するなよ。」
『じゃあ早く戻ってきてくださーい。相手してくださーい。』
「そのつもりだけど…本当に待ってるんだろうな?」
お、あれは信用してない顔だな。失敬な。待ちくたびれたら出て行くに決まってるじゃないか。
そんなセイラの考えを悟ったのかココは扉から出てすぐに困惑するサニーを引っ張ってきた。たまたま会ったんだろうがサニーも不運な男だ。
「おいおい、いきなり何だよココ!」
「ボクが戻ってくるまでセイラのお守りをよろしく。」
「はぁ?!やるって言ってな……」
サニーの抵抗も虚しく閉じられたドアノブの無い分厚い鉄の扉は油圧の音と共に鍵がかけられた。