第四話
設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『……はぁっ………はぁっ………はぁっ…………』
少し、休憩しよう。
壁に背を預け、床に座り込む。浅い呼吸が少しは楽になった。
瞼を閉じて呼吸を整えることに集中していると自分の意思とは関係なく体が宙を浮いた。
『うわあっ!』
「あ、ごめん。驚かせちゃった?」
体のバランスを取ろうとしがみついた先はココの首で。横抱きに抱えられた体は突然のことに驚きはしたものの余計な力が抜けていくのを感じた。
『ココ!なんで……試合は?!』
「行くよ。でもセイラを運ぶのが先。それに、焦らしたほうが配当が増えるかもね。」
『………知らない。』
自分の非力さを見せつけられているようで益々惨めな気持ちになる。
なるはずなのに。気にかけてくれる人がいるという事実が、さっきまで冷たく強ばっていた内側をじんわりと温めてくれる。
何かあったことを察してか顔を見ないでいてくれる彼の気遣いも、結局のところ私はココに敵わないのだ。
なんだか悔しくなって、掴んでいた手を離してココに肩に頭を預けるとココの横顔がよく見えた。
「重たいんだけど。」
『ねぇ、ココはなんでグルメコロシアムに戻ってきたの?』
「え、無視?」
ココを含むトリコ、ゼブラ、サニーの4人は元チェインアニマルで、グルメコロシアムにも参加していた。好戦的な3人に比べ、ココはグルメコロシアムが嫌いだったとトリコから聞いたことがある。
そんなココが、どうして今さら嫌いな場所に戻ってきたのかずっと引っかかっていた。
「別に。少し大金が必要になっただけだ。」
『外の方が稼げるでしょ?なんたってココは18の誕生日がきたら皆で住んでいる家を出て好きなとこ行けるようになるんだから。今だって美食家として第一線で活躍してるって研究所内でも評判なんだからさ。』
「なんだ。ボクに会えなくなるかもしれないから寂しいの?」
『そんなこと言ってないってば!!』
「素直じゃないなあ。」