第三話
設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…ハァッ………ハァッ………ハァッ……う……ぐ…………』
気を失ったココの腕を引いて川の流れが緩やかになってきたところでようやく岸へたどり着くことができた。
いったいどこまで流されたのかわからないが、だいぶ奥地へと来てしまったようだ。
ココの体を陸へ引っ張り上げる。
『ココ!!ココ!!』
意識がない。
息をしていない。いつからしていない?
サッと体中の血の気が引いた。怯んでる場合じゃない。早く応急処置を……
『…胸の真ん中を重ねた両手で圧迫………1……2……3……4……5……………30回の胸骨圧迫終了…気道を確保し、鼻をつまみ、口を大きく開けて傷病者の口を覆い、胸が上がる程度約1秒かけて吹き込む。』
一度口を離し、同じ要領でもう1回吹き込む。何度か胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返した後、ココは水を吐き出し、衰弱してはいたが呼吸も戻った。
『よ、よかったあ………ゲホゲホッ!ゲホッ!』
思わず手をついた地面の黒草に鮮明な赤が飛び散った。
『…………………なに、これ………う、ゲホゲホッ!』
新しい赤が黒草を染めていく。喉が焼けるようにヒリついて痛い。声が出ない。全身が針で刺されているような痛みに襲われる。視界が霞み、ヒューヒュー、ゼーゼーといった自分の呼吸が耳につく。
これがココの毒……………!
グルメコロシアムにも毒を持つ猛獣はいるけど……………こんな………こんなにも強力な毒を……………
私のグルメ細胞が適応するのが早いか、意識を持っていかれるのが早いか………
虚ろになる意識の中、地面が揺れると錯覚するほど大きな足音が近づいていた。