第三話
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目の前には雄大な緑の草原が広がり、草食動物が草を喰む姿がちらほら見える。
そよそよと頬を撫でる風は心地よく、優しい太陽の光を浴びながら昼寝したら気持ちいいだろう爽やかな天候の下、ココ、トリコ、ゼブラ、サニー、リン、セイラは自身の体より重いリュックサックを背負って草原を横断していた。
「それでねそれでね、セイラ聞いてる?!」
『聞いてる聞いてる。』
「ウチとしては?優しいトリコも好きだけど、悪いトリコもカッコいいっていうかー!」
『ふー、ん……ん?』
「トリコが2人ともウチを取り合って大変なんだってばー!!」
『え、え?なんて?』
本当ならリンはまだ庭の中に出てはいけないはずだった。だが毎回置いてきぼりにされていたことがかなり堪えたのだろう。セイラたちと同行することを頑として譲らなかった。
『リン。いくら黒草の草原とはいえ集中しなよ。』
「もー!お似合いだなんて気が早いよおー!!」
『そんなこと言ってないんだけどね。』
「リーーーーン!!テメ、気ィ抜いてんじゃねーぞ!!」
「ンなことわかってっし!つかセイラから聞いたし!バカ兄貴!」
「ンだとぉ!!?」
今回は黒草の草原内の川の調査。
川といっても海に直接繋がっているものじゃなくて海水を汲み上げ淡水へと変えて放流している人工の川。
その川のひとつに何かトラブルが起きたらしく、十分な水が行き渡っていないということだった。
最北端の放流ポイントまで来たが機械の不調が原因だった。
「ココよ、俺らはここ来るの初めてだけどこれからどうすんの?」
「だからセイラの同行が必須なんだろ…ってホントに聞いてないなトリコ!」
『機械は私が直すから。ただこの場所は……』
ココ、トリコ、ゼブラ、セイラ、サニーの纏う雰囲気が張りつめた。が、それは一瞬のことでいつものマイペースな雰囲気に戻った。
『よし!あとはよろしく!』
「腹ごしらえしてからな!」
「「「『あとにしろ!!』」」」
30分前に食べたばっかりなのに………トリコはさておき、ここ最北端の放流ポイントは黒草の草原から少し外れた石と岩ばかりの場所だが白い森林と目と鼻の先に位置し、この岩だらけの地に生息する猛獣がごろごろいる危険地帯だった。