第二話
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ココの顔目掛けて蹴り上げた足もさらりと躱されてしまった。けっこう本気出したのにちょっとショック。セイラの足はココの頭上を飛び越えて後ろに生えていた木に当たり、バキバキと音を立てて2人の方へ倒れてきた。
『あわわわわ、やり過ぎた…』
「ボクを殺す気か!!?」
倒れてきた木を両手で受け止めようとセイラが手を伸ばしたがそこまで倒れてくることはなかった。ココがセイラの前に立ち、倒れてこないように支えていてくれたからだ。
ココは木を隣の巨木に立てかけるとセイラに体を向けた。少しの驚きと気まずさに襲われながらココの顔を見ると彼の人差し指がセイラの額をトンとついた。
「はい、ボクの勝ち。これでおしまい。」
『う、うん…』
セイラが素直に返事をするとココはにこりと微笑むとトリコたちの方へ向き直った。
「さあ、次は誰だ?」
「オレとゼブラとサニーの3人がかりでどうだ?!」
「それはズルいだろ!!」
心臓が早鐘を打つ。
なんでこんなにドキドキするのかわからない。顔も熱い気がする。
く……くやしい………!
じゃれ合う4人の側を通ってさっきまでいた場所に向かう。地面に腰をおろして転がったリンゴのような果実を齧ると口の中に完熟した甘さと独特の酸味が広がる。
もう一度リンゴを齧ると足元の覚束ないサニーが戻ってきた。
「ダメだ…腹が減って力が出ね…」
ドカッと音を立ててセイラの隣に腰を下ろしたサニーに「何か食い物ないか」と聞かれた。周りを見渡したがあんなに山になるまで集めてきた果物たちはトリコとゼブラのお腹の中に収まったようだ。
「ん。あげる。」
セイラがにこりと微笑んでリンゴを突き出すとサニーは素直に受け取ってくれた。他人の食べかけなんて汚くていらないと言われるかと思っていたから意外だ。
『全然足りないでしょ?他のもの採ってくる。』
「レも行く。」
『そう?待ってていいのに。』
「……セイラがヤじゃねーなら。」
『え?なに?聞こえない。』
「さっさと行くぞ!オレは昨日から何も食ってねーんだ!」
『なに怒ってんのさ。』