2:幸せな食事
ヒロイン
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レノとヒロインは交代で休憩を取りながら、男を監視した。
日中は二人とも起きていることが多く、男の方も動きがなかったので、二人は他愛ない会話をすることが増えていった。
初めは天気の話。それはあまり長く会話が続かなかった。
次は武器の話。ヒロインは銃火器とナイフを常に持ち歩いているとのことだった。
その次はヒロインから話をしてきた。コスタを舞台にしたコメディドラマの話だったが、レノはテレビを見る習慣がなかったので、会話はすぐに終わってしまった。
そしてついに当たり障りのない話題は尽き、再び天気の話でもしようかというところで、ヒロインが不満げに呟いた。
「レノ、またこれ?」
ヒロインがむっとした表情で手にしたクッキータイプの栄養食を睨んでいる。
それはレノが買い出しに出て買ってきた、今日の夕食だった。
「簡単にカロリー取れるんだから便利だろ。それに、昨日と違う味だぞ、と」
昨日はプレーン。今日はナッツ入り。わざわざ味を変えたというのに何が不満なのだろうと、レノは首を傾げた。
「まさかと思うけど、普段もこんな食生活?」
「そうだぞ、と」
ヒロインが呆れた顔をした。
「あのね、ご飯は大事なの。美味しいもの食べたら、ストレス解消になるでしょ?」
「ストレス解消するなら酒でいいだろ」
ヒロインが盛大に溜息をついた。
「そんなだから、毎朝顔色悪いんでしょ!?明日からレノは買い出し禁止!私が行くからね」
ヒロインは一人怒って、クッキーを口に放り込んだ。昨日のよりこっちのほうが美味しいと言って、ヒロインは次の袋に手を伸ばしていた。
そして翌日、ヒロインは昨日宣言した通り、今日の昼ごはんを買いに出かけていった。
レノはすぐ近くのコンビニまでしか行かなかったので、買い物をしてタバコを吸って帰ってくるまでに20分かからなかったが、ヒロインは1時間経っても帰ってこなかった。
さすがに何かあったのではと心配になり、レノはヒロインを探しに行こうと立ち上がった。
「ただいまー!」
玄関からヒロインの明るい声が聞こえてきた。
帰ってきたヒロインは両手いっぱいにテイクアウトの紙袋を下げていた。
「屋台で美味しそうな焼きそば売ってたから買ってきちゃった。あと、サラダ」
あまり腹は減っていなかったが、ヒロインが押し付けてくるので、レノは渋々それを受け取り、蓋を開けた。
「残すのは禁止ね。ちゃんと食べて、栄養摂らないと」
母親かよ。
思わずそう言いかけて、レノは口を噤んだ。
昨日の夜に歳をからかって、ヒロインの逆鱗に触れたばかりだったからだ。
「ね、これ食べてみて?すごく美味しい!」
ヒロインが熱心に勧めてくるのを内心煩わしく思いながら、食べないとさらにうるさくなるのでレノは黙ってそれを受け取り、一口食べた。
「確かに、美味いな」
「そうでしょ!?」
ヒロインが嬉しそうに笑った。
あまりにヒロインが美味しそうに、楽しそうに食事をするものだから、レノも釣られて渡された分を食べることにした。
(たまにはこういうのも悪くないかもな)
幸せそうなヒロインを見ながら、レノは笑みを浮かべた。
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日中は二人とも起きていることが多く、男の方も動きがなかったので、二人は他愛ない会話をすることが増えていった。
初めは天気の話。それはあまり長く会話が続かなかった。
次は武器の話。ヒロインは銃火器とナイフを常に持ち歩いているとのことだった。
その次はヒロインから話をしてきた。コスタを舞台にしたコメディドラマの話だったが、レノはテレビを見る習慣がなかったので、会話はすぐに終わってしまった。
そしてついに当たり障りのない話題は尽き、再び天気の話でもしようかというところで、ヒロインが不満げに呟いた。
「レノ、またこれ?」
ヒロインがむっとした表情で手にしたクッキータイプの栄養食を睨んでいる。
それはレノが買い出しに出て買ってきた、今日の夕食だった。
「簡単にカロリー取れるんだから便利だろ。それに、昨日と違う味だぞ、と」
昨日はプレーン。今日はナッツ入り。わざわざ味を変えたというのに何が不満なのだろうと、レノは首を傾げた。
「まさかと思うけど、普段もこんな食生活?」
「そうだぞ、と」
ヒロインが呆れた顔をした。
「あのね、ご飯は大事なの。美味しいもの食べたら、ストレス解消になるでしょ?」
「ストレス解消するなら酒でいいだろ」
ヒロインが盛大に溜息をついた。
「そんなだから、毎朝顔色悪いんでしょ!?明日からレノは買い出し禁止!私が行くからね」
ヒロインは一人怒って、クッキーを口に放り込んだ。昨日のよりこっちのほうが美味しいと言って、ヒロインは次の袋に手を伸ばしていた。
そして翌日、ヒロインは昨日宣言した通り、今日の昼ごはんを買いに出かけていった。
レノはすぐ近くのコンビニまでしか行かなかったので、買い物をしてタバコを吸って帰ってくるまでに20分かからなかったが、ヒロインは1時間経っても帰ってこなかった。
さすがに何かあったのではと心配になり、レノはヒロインを探しに行こうと立ち上がった。
「ただいまー!」
玄関からヒロインの明るい声が聞こえてきた。
帰ってきたヒロインは両手いっぱいにテイクアウトの紙袋を下げていた。
「屋台で美味しそうな焼きそば売ってたから買ってきちゃった。あと、サラダ」
あまり腹は減っていなかったが、ヒロインが押し付けてくるので、レノは渋々それを受け取り、蓋を開けた。
「残すのは禁止ね。ちゃんと食べて、栄養摂らないと」
母親かよ。
思わずそう言いかけて、レノは口を噤んだ。
昨日の夜に歳をからかって、ヒロインの逆鱗に触れたばかりだったからだ。
「ね、これ食べてみて?すごく美味しい!」
ヒロインが熱心に勧めてくるのを内心煩わしく思いながら、食べないとさらにうるさくなるのでレノは黙ってそれを受け取り、一口食べた。
「確かに、美味いな」
「そうでしょ!?」
ヒロインが嬉しそうに笑った。
あまりにヒロインが美味しそうに、楽しそうに食事をするものだから、レノも釣られて渡された分を食べることにした。
(たまにはこういうのも悪くないかもな)
幸せそうなヒロインを見ながら、レノは笑みを浮かべた。
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