8:嘘との再会
ヒロイン
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ヒロインと食事に行く約束をし、店を決めたまではよかった。
しかし、その日帰ろうとしたとき、ツォンに呼び止められ、急な任務を言い渡された。
ミッドガルに出回っている幻覚剤の取引が翌早朝に郊外で行われる情報を軍が掴んだらしい。
早朝任務ならば昼には解放されるだろう。
ヒロインとの約束には間に合うと踏み、レノは渋々任務を請け負うことにした。
だが、掴んだ情報の場所には昼まで待っても誰も現れず、情報を再精査した結果、取引は今日の夕方が濃厚とのことだった。
結局、夕方の取引を潰し、解放されたのはヒロインとの待ち合わせ時間を大幅に過ぎた夜だった。
神羅ビルを出たレノは、すぐにヒロインに電話した。
まだ待っているだろうか。
電話は数コールで繋がった。
「ヒロイン、悪ぃ。急な任務で――」
『あぁ、幻覚剤の取引だろ?どうだ、上手く潰せたか?』
ヒロインの電話に出たのは男だった。
どこかで聞いたことのある声でもあった。
すぐに相手に思い当たったレノの血の気が一気に引いた。
レノはビルの中に取って返すと、走ってタークスのオフィスに向かった。
『あんたがレノか。あぁ、今日はデートだったんだな。悪かったな、邪魔して』
男が電話の向こうで不快な笑い声を上げた。
レノは舌打ちしたいのを必死で堪えた。
プライドばかり高い男だとツォンが言っていた。
もしヒロインが捕まっているのなら、刺激するのは得策ではなかった。
男はレノが黙っているのをいいことに、聞いてもいないのにヒロインとの関係を話し出した。
出会いや自分と相棒になってからのことを、まるでレノに自慢でもするかのように。
男の無駄話のおかげで通話が切れる前にオフィスに戻れたので、レノはすぐさま通話の追跡を開始した。
まだオフィスに残っていたツォンが何事かと近寄ってきたので、レノは口の前に人差し指を立て、通話をスピーカーに切り替えた。
『あんたら、まだヤッてなかったんだな。おかげで、ヒロインの具合は最高だったぜ』
男が大声で笑った。
レノもツォンもヒロインに何が起こったのかを察し、怒りで震えた。
『せっかくだから、見せてやるよ。こいつ、柄にもなくおしゃれしてて笑えたぜ?まぁ、もう破り捨てちまったけど!』
レノの携帯画面に映像が映し出された。
初めは薄暗かった画面がぱっと明るくなった。
『ほら、こっち向け!』
男がヒロインの髪を掴み、カメラがヒロインの顔を捉えた。
殴られたのか、顔の片側がひどく腫れていた。
ただ、その目には強い光が宿り、気丈にも男を睨みつけていた。
カメラが更に下に向かう。
首筋にはいくつかの赤い痕、身体にもたくさんの痣ができていた。
『いい身体してるだろ?』
男がヒロインの乳房を乱暴に掴み、その先端に舌を這わせた。
『っ!』
屈辱的な姿をさらされたヒロインの顔が苦痛に歪む。
レノはたまらず画面から目を逸した。
『ちょうど、今から儀式をするところだったんだ。ちゃんと見ておけよ』
男がヒロインを突き飛ばした。
倒れたヒロインを無理矢理仰向けにすると、男は火をつけたタバコを何の躊躇もなくヒロインの身体に押し付けた。
ヒロインは唇を噛んで必死に堪えていた。
それが面白くなかったのか、男は何度も何度もヒロインの身体にタバコを押し付けた。
初めは耐えていたヒロインの目にはっきりと恐怖が宿る。
それを見た男がにやりと笑い、ヒロインの火傷痕をひっかくように爪を立てて手を動かした。
『いやあああああああ!』
大きく見開かれたヒロインの目から、大粒の涙がこぼれた。
「ヒロインっ!」
レノは身体中が激しい怒りで震えるのを感じていた。
『止めたきゃここまでこいよ。それまで、ヒロインが耐えられるかどうかは別としてな』
不快な笑いを残して、通話はそこで切れた。
レノは拳で力任せに机を叩いた。
男よりも自分に腹が立った。
一人にしないと約束をしたのに。
「レノ、怒りは奴にぶつけろ。ヒロインがいるのはウォールマーケットの外れだ。詳しい座標はあとから送る。私は救護の手配をしてから合流する」
「…了解、と」
レノは目に暗い光を宿し、ヘリで目的地に向かった。
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しかし、その日帰ろうとしたとき、ツォンに呼び止められ、急な任務を言い渡された。
ミッドガルに出回っている幻覚剤の取引が翌早朝に郊外で行われる情報を軍が掴んだらしい。
早朝任務ならば昼には解放されるだろう。
ヒロインとの約束には間に合うと踏み、レノは渋々任務を請け負うことにした。
だが、掴んだ情報の場所には昼まで待っても誰も現れず、情報を再精査した結果、取引は今日の夕方が濃厚とのことだった。
結局、夕方の取引を潰し、解放されたのはヒロインとの待ち合わせ時間を大幅に過ぎた夜だった。
神羅ビルを出たレノは、すぐにヒロインに電話した。
まだ待っているだろうか。
電話は数コールで繋がった。
「ヒロイン、悪ぃ。急な任務で――」
『あぁ、幻覚剤の取引だろ?どうだ、上手く潰せたか?』
ヒロインの電話に出たのは男だった。
どこかで聞いたことのある声でもあった。
すぐに相手に思い当たったレノの血の気が一気に引いた。
レノはビルの中に取って返すと、走ってタークスのオフィスに向かった。
『あんたがレノか。あぁ、今日はデートだったんだな。悪かったな、邪魔して』
男が電話の向こうで不快な笑い声を上げた。
レノは舌打ちしたいのを必死で堪えた。
プライドばかり高い男だとツォンが言っていた。
もしヒロインが捕まっているのなら、刺激するのは得策ではなかった。
男はレノが黙っているのをいいことに、聞いてもいないのにヒロインとの関係を話し出した。
出会いや自分と相棒になってからのことを、まるでレノに自慢でもするかのように。
男の無駄話のおかげで通話が切れる前にオフィスに戻れたので、レノはすぐさま通話の追跡を開始した。
まだオフィスに残っていたツォンが何事かと近寄ってきたので、レノは口の前に人差し指を立て、通話をスピーカーに切り替えた。
『あんたら、まだヤッてなかったんだな。おかげで、ヒロインの具合は最高だったぜ』
男が大声で笑った。
レノもツォンもヒロインに何が起こったのかを察し、怒りで震えた。
『せっかくだから、見せてやるよ。こいつ、柄にもなくおしゃれしてて笑えたぜ?まぁ、もう破り捨てちまったけど!』
レノの携帯画面に映像が映し出された。
初めは薄暗かった画面がぱっと明るくなった。
『ほら、こっち向け!』
男がヒロインの髪を掴み、カメラがヒロインの顔を捉えた。
殴られたのか、顔の片側がひどく腫れていた。
ただ、その目には強い光が宿り、気丈にも男を睨みつけていた。
カメラが更に下に向かう。
首筋にはいくつかの赤い痕、身体にもたくさんの痣ができていた。
『いい身体してるだろ?』
男がヒロインの乳房を乱暴に掴み、その先端に舌を這わせた。
『っ!』
屈辱的な姿をさらされたヒロインの顔が苦痛に歪む。
レノはたまらず画面から目を逸した。
『ちょうど、今から儀式をするところだったんだ。ちゃんと見ておけよ』
男がヒロインを突き飛ばした。
倒れたヒロインを無理矢理仰向けにすると、男は火をつけたタバコを何の躊躇もなくヒロインの身体に押し付けた。
ヒロインは唇を噛んで必死に堪えていた。
それが面白くなかったのか、男は何度も何度もヒロインの身体にタバコを押し付けた。
初めは耐えていたヒロインの目にはっきりと恐怖が宿る。
それを見た男がにやりと笑い、ヒロインの火傷痕をひっかくように爪を立てて手を動かした。
『いやあああああああ!』
大きく見開かれたヒロインの目から、大粒の涙がこぼれた。
「ヒロインっ!」
レノは身体中が激しい怒りで震えるのを感じていた。
『止めたきゃここまでこいよ。それまで、ヒロインが耐えられるかどうかは別としてな』
不快な笑いを残して、通話はそこで切れた。
レノは拳で力任せに机を叩いた。
男よりも自分に腹が立った。
一人にしないと約束をしたのに。
「レノ、怒りは奴にぶつけろ。ヒロインがいるのはウォールマーケットの外れだ。詳しい座標はあとから送る。私は救護の手配をしてから合流する」
「…了解、と」
レノは目に暗い光を宿し、ヘリで目的地に向かった。
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