7:最初の一歩
ヒロイン
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今週も淡々と時間が過ぎていった。
レノに連絡をしないまま週末を迎えてしまったことには目を瞑り、ヒロインは仕事に集中しようと気合いを入れた。
今日、ルーファウスの予定は特にない。
いつも通り過ごして、週末は一人でゆっくりと過ごそう。
そう思っていたヒロインの計画は、朝イチであっさりと崩れ去った。
「午後から会議…本社、で」
ルーファウスの予定を確認すると、昨日なかった会議が設定されていた。
よりにもよって本社で。
ルーファウスが行くのであれば、護衛の自分も同行しなければならない。
ヒロインは憂鬱な気分のまま、午前を過ごした。
本社へ向かう車中、背後から視線を感じ、助手席に座っていたヒロインは後ろを振り返った。
「何か御用ですか、副社長」
「何をそんなに怖がっているのかと思ってな」
ルーファウスが意地の悪い顔をした。
心の奥深くまで見透かすようなルーファウスの視線を避けるように、ヒロインは顔を正面に向けた。
「怖がってないです。いつも通りですよ」
そう強がっては見せたものの、少し声が震えた。
「それなら問題ないな。ヒロイン、ツォンのところに行って、頼んでいた銃を受け取ってきてくれ」
ルーファウスの指示に、ヒロインは目を見開いて固まった。
ツォンのところというのはつまり、タークスのオフィスに行けということ。
レノに会うかもしれない。
今はまだ、会いたくない。
ヒロインのその沈み込む気持ちを察したのか、ルーファウスが付け加えた。
笑いを含んだ声音で。
「レノなら今日は任務で出ているそうだ」
ヒロインは言葉を詰まらせた。
ルーファウスはすべてお見通しのようだ。
(本当、相変わらず意地が悪い…!)
真っ赤な顔を見られたくなかったため、振り返ることはしなかったが、確実にルーファウスは勝ち誇った顔をしていることだろう。
昔から余裕綽々といった表情で、ヒロインをからかうところは変わっていない。
二人きりのときであれば拳を振り上げていたところだが、今日は運転手がいることもあり、ヒロインはぐっとこらえた。
神羅ビルに到着し、ヒロインはルーファウスを上層階の会議室まで送ったあと、地下のタークスのオフィスに向かった。
ルーファウスはレノが任務に出ていると言っていたが、帰ってくる時間までは言わなかった。
早く用事を済ませるに越したことはない。
「失礼しまーす。副社長の銃を受け取りに来たんだけど」
オフィスに入ると、正面のデスクで難しい顔をしていたツォンが顔を上げた。
「あぁ、わざわざありがとうございます。これを渡してもらえますか?」
ツォンが立ち上がり、ヒロインに上等な革張りの箱を渡した。
「問題ないことは確認済みだよね?」
「えぇ、試射も済ませ、動作に問題ないことは確認済みですので、すぐにでも使える状態です」
「わかった。じゃあ、あとで渡しておく。それじゃ」
ヒロインはテキパキと会話を済ませ、そそくさとオフィスを出た。
無事、レノに会わずに用事を済ませることができ、ヒロインはほっと息をついた。
あとは、ルーファウスの会議が終わるのを待って帰るだけだ。
ヒロインは携帯で時間を確認した。
あと、1時間程度。
銃の手入れをするにはちょうどいい時間だった。
ヒロインは階段でワンフロア降り、普段あまり使われない訓練施設に向かった。
.
レノに連絡をしないまま週末を迎えてしまったことには目を瞑り、ヒロインは仕事に集中しようと気合いを入れた。
今日、ルーファウスの予定は特にない。
いつも通り過ごして、週末は一人でゆっくりと過ごそう。
そう思っていたヒロインの計画は、朝イチであっさりと崩れ去った。
「午後から会議…本社、で」
ルーファウスの予定を確認すると、昨日なかった会議が設定されていた。
よりにもよって本社で。
ルーファウスが行くのであれば、護衛の自分も同行しなければならない。
ヒロインは憂鬱な気分のまま、午前を過ごした。
本社へ向かう車中、背後から視線を感じ、助手席に座っていたヒロインは後ろを振り返った。
「何か御用ですか、副社長」
「何をそんなに怖がっているのかと思ってな」
ルーファウスが意地の悪い顔をした。
心の奥深くまで見透かすようなルーファウスの視線を避けるように、ヒロインは顔を正面に向けた。
「怖がってないです。いつも通りですよ」
そう強がっては見せたものの、少し声が震えた。
「それなら問題ないな。ヒロイン、ツォンのところに行って、頼んでいた銃を受け取ってきてくれ」
ルーファウスの指示に、ヒロインは目を見開いて固まった。
ツォンのところというのはつまり、タークスのオフィスに行けということ。
レノに会うかもしれない。
今はまだ、会いたくない。
ヒロインのその沈み込む気持ちを察したのか、ルーファウスが付け加えた。
笑いを含んだ声音で。
「レノなら今日は任務で出ているそうだ」
ヒロインは言葉を詰まらせた。
ルーファウスはすべてお見通しのようだ。
(本当、相変わらず意地が悪い…!)
真っ赤な顔を見られたくなかったため、振り返ることはしなかったが、確実にルーファウスは勝ち誇った顔をしていることだろう。
昔から余裕綽々といった表情で、ヒロインをからかうところは変わっていない。
二人きりのときであれば拳を振り上げていたところだが、今日は運転手がいることもあり、ヒロインはぐっとこらえた。
神羅ビルに到着し、ヒロインはルーファウスを上層階の会議室まで送ったあと、地下のタークスのオフィスに向かった。
ルーファウスはレノが任務に出ていると言っていたが、帰ってくる時間までは言わなかった。
早く用事を済ませるに越したことはない。
「失礼しまーす。副社長の銃を受け取りに来たんだけど」
オフィスに入ると、正面のデスクで難しい顔をしていたツォンが顔を上げた。
「あぁ、わざわざありがとうございます。これを渡してもらえますか?」
ツォンが立ち上がり、ヒロインに上等な革張りの箱を渡した。
「問題ないことは確認済みだよね?」
「えぇ、試射も済ませ、動作に問題ないことは確認済みですので、すぐにでも使える状態です」
「わかった。じゃあ、あとで渡しておく。それじゃ」
ヒロインはテキパキと会話を済ませ、そそくさとオフィスを出た。
無事、レノに会わずに用事を済ませることができ、ヒロインはほっと息をついた。
あとは、ルーファウスの会議が終わるのを待って帰るだけだ。
ヒロインは携帯で時間を確認した。
あと、1時間程度。
銃の手入れをするにはちょうどいい時間だった。
ヒロインは階段でワンフロア降り、普段あまり使われない訓練施設に向かった。
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