1:苦手意識
ヒロイン
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コスタ・デル・ソルまでは船で1日かかる。
船室を予約してあると聞いていたが、案の定、予約は一部屋。ヒロインは渋い顔をした。
「ツォンにあとで文句言わなきゃ…」
「いいだろ、別に。恋人同士の方がコスタじゃ目立たないぞ、と」
レノは後ろからヒロインを抱きすくめ、首筋に顔をうずめた。そして、下から掬い上げるようにヒロインの豊かな胸を揉みしだいた。
「ひっ」
ヒロインが小さく悲鳴を上げた。
「おねが…やめてっ…」
ヒロインの身体は震えていた。
触れ合ったところからはっきりと伝わってくる恐怖の感情。
「レノ…お願い…」
今にも泣きそうなヒロインの声に興を削がれ、レノはヒロインを解放した。
ヒロインの表情は見えなかった。
レノに背を向け、自分を抱きしめるようにして蹲ったヒロインを冷たく見下ろし、レノは大きく溜息をつくとそのまま船室を出た。
いい年してあれぐらいで動揺するとは。処女じゃあるまいし。
甲板に上がったレノは舌打ちをし、胸ポケットからタバコを取り出した。
タバコに火をつけ、深く吸い込むと少し苛立ちは収まった。
しかし、こちらはその気だったのに、あれほど強く拒まれたせいで欲求不満だ。
船室に戻れば嫌でも顔を合わせるし、何よりあの刺激的な肢体を見ると、次こそ無理矢理最後までしてしまうかもしれない。
さすがにそれはまずいと思える理性が残っていたレノは、再びタバコを吸って、煙を吐き出した。
「ねぇ、お兄さん。そんなところで暗い顔してないでさ、私と遊ばない?」
声のした方に顔を向けると、露出の多い格好をした若い女性が立っていた。
「こんなところでナンパか?」
何かの罠か冗談か。
レノは苦笑した。
「友達がナンパされて、私、今一人なの。で、お兄さんも一人。ちょうどいいでしょ?」
何がちょうどいいのか、と思ったが、船室に戻る気にならないレノには渡りに船だった。
「暇だから、付き合ってやるぞ、と」
レノは女の腰を抱き、そのまま噛み付くようにキスをした。
「ほら、部屋行こうぜ」
とろけた表情を見せる女を連れ、レノは女の部屋へと向かった。
一人船室の隅で、ヒロインは膝をかかえていた。
カフェでタバコの灰を落とすレノの仕草を見てから、レノにあの男を重ねてしまっている。
そっくりだった。
器用に親指で灰を落とすあの手付きが。
違うとわかっていても、あの仕草、匂いが、レノの上に別人の姿を被せてしまう。
触れられた感触と匂いに嫌悪感を抱き、ヒロインは服を脱ぎ捨てると風呂場に駆け込んだ。
(しっかりしなきゃ…)
ヒロインは頭から熱いシャワーを浴びながら、何度も心の中でそれを繰り返した。
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船室を予約してあると聞いていたが、案の定、予約は一部屋。ヒロインは渋い顔をした。
「ツォンにあとで文句言わなきゃ…」
「いいだろ、別に。恋人同士の方がコスタじゃ目立たないぞ、と」
レノは後ろからヒロインを抱きすくめ、首筋に顔をうずめた。そして、下から掬い上げるようにヒロインの豊かな胸を揉みしだいた。
「ひっ」
ヒロインが小さく悲鳴を上げた。
「おねが…やめてっ…」
ヒロインの身体は震えていた。
触れ合ったところからはっきりと伝わってくる恐怖の感情。
「レノ…お願い…」
今にも泣きそうなヒロインの声に興を削がれ、レノはヒロインを解放した。
ヒロインの表情は見えなかった。
レノに背を向け、自分を抱きしめるようにして蹲ったヒロインを冷たく見下ろし、レノは大きく溜息をつくとそのまま船室を出た。
いい年してあれぐらいで動揺するとは。処女じゃあるまいし。
甲板に上がったレノは舌打ちをし、胸ポケットからタバコを取り出した。
タバコに火をつけ、深く吸い込むと少し苛立ちは収まった。
しかし、こちらはその気だったのに、あれほど強く拒まれたせいで欲求不満だ。
船室に戻れば嫌でも顔を合わせるし、何よりあの刺激的な肢体を見ると、次こそ無理矢理最後までしてしまうかもしれない。
さすがにそれはまずいと思える理性が残っていたレノは、再びタバコを吸って、煙を吐き出した。
「ねぇ、お兄さん。そんなところで暗い顔してないでさ、私と遊ばない?」
声のした方に顔を向けると、露出の多い格好をした若い女性が立っていた。
「こんなところでナンパか?」
何かの罠か冗談か。
レノは苦笑した。
「友達がナンパされて、私、今一人なの。で、お兄さんも一人。ちょうどいいでしょ?」
何がちょうどいいのか、と思ったが、船室に戻る気にならないレノには渡りに船だった。
「暇だから、付き合ってやるぞ、と」
レノは女の腰を抱き、そのまま噛み付くようにキスをした。
「ほら、部屋行こうぜ」
とろけた表情を見せる女を連れ、レノは女の部屋へと向かった。
一人船室の隅で、ヒロインは膝をかかえていた。
カフェでタバコの灰を落とすレノの仕草を見てから、レノにあの男を重ねてしまっている。
そっくりだった。
器用に親指で灰を落とすあの手付きが。
違うとわかっていても、あの仕草、匂いが、レノの上に別人の姿を被せてしまう。
触れられた感触と匂いに嫌悪感を抱き、ヒロインは服を脱ぎ捨てると風呂場に駆け込んだ。
(しっかりしなきゃ…)
ヒロインは頭から熱いシャワーを浴びながら、何度も心の中でそれを繰り返した。
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