5:任務終了
ヒロイン
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監視対象の男が港にやってきてから1時間後、もう一人の男も港にやってきた。
「バン3台、対象含め18人。全員武装」
レノは端的にツォンに状況を報告した。
多少の仲間を連れてくることは想定していたが、思ったよりも多い。
「対象と4人が中に入った。外はこっちで排除するから、合図は任せるよ」
『えぇ、わかりました』
ヒロインが一度深呼吸をした。
「レノ、私がバックアップに回るね。合わせるから、好きに暴れておいで」
急に先輩らしいことを言い出したヒロインを頼もしく思いつつも、レノは軽く唇を尖らせた。後輩というより子供扱いされたような気分だ。
「足引っ張らないように頼むぜ、先輩」
そう言うとヒロインが苦笑していた。
子供っぽい嫌味を言ってしまった自分が心の狭い男に思え、レノはきまりが悪くなってそっぽを向いた。
『武器を確認した。始めるぞ』
ツォンから通信が入り、二人はそれぞれ武器を構えた。
「信じてるよ、レノ」
「あぁ」
ヒロインの銃から一発の銃弾が発射された。
その銃弾は最も油断していた男の命を奪った。
突然の銃声で混乱する敵に向かって、レノは駆け出した。
初めて組んだというのに、ヒロインのサポートは完璧だった。
レノの死角の敵を次々と倒していく。
外にいた敵は、ものの5分も立たないうちに地面に伏した。
「ツォンさん、外は制圧したぞ、と」
ヒロインの方も車のタイヤをパンクさせ終えたようだ。これで車での逃亡はできなくなった。
『売人の男はこちらで確保した。だが、例の男が逃げた。追跡を頼む』
「レノ、行こう」
ヒロインは先に走り出した。少し焦っているように見える。
レノは男の逃げた方向を聞きながら、ヒロインを追った。
ちょうど男を見失った地点でヒロインに追いついたレノは、飛び出そうとしたヒロインの肩を掴んで止めた。
「ヒロイン、慌てすぎだぞ、と。どうせ遠くにはいけない」
レノの手を振り払おうとしたヒロインが動きを止め、唇を噛んだ。
「ごめん、ちょっと焦ってた。ダメだね、冷静にならないと…」
ヒロインが呼吸を整えている間に、レノは辺りを見回した。
男を見失った場所は、倉庫を出たところのコンテナ置き場だった。いくつものコンテナが並び、積み上げられている。
「死角が多いな」
コンテナの中、曲がり角、隙間――考えたらきりがない。
「待ち伏せはないと思う。派手に暴れたから、きっと外が制圧済みなのも把握しているはず。見回ったときにボートはなかったから、逃げるなら陸路」
「自棄になってこっちに向かってくる可能性もあるだろ」
逃げると断言したヒロインに、レノは怪訝な顔を向けた。
すると、ヒロインが苦笑いを浮かべた。
「だってあいつ、7年前も逃げたんだよ?きっと今回も同じ」
今回は逃さないけど、とヒロインが付け加えた。
その表情にもう迷いはない。
「できるだけ市街に抜ける道を塞ぐように追い詰めよう」
ヒロインが端末に表示した地図を記憶し、レノとヒロインは静かに男を追った。
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「バン3台、対象含め18人。全員武装」
レノは端的にツォンに状況を報告した。
多少の仲間を連れてくることは想定していたが、思ったよりも多い。
「対象と4人が中に入った。外はこっちで排除するから、合図は任せるよ」
『えぇ、わかりました』
ヒロインが一度深呼吸をした。
「レノ、私がバックアップに回るね。合わせるから、好きに暴れておいで」
急に先輩らしいことを言い出したヒロインを頼もしく思いつつも、レノは軽く唇を尖らせた。後輩というより子供扱いされたような気分だ。
「足引っ張らないように頼むぜ、先輩」
そう言うとヒロインが苦笑していた。
子供っぽい嫌味を言ってしまった自分が心の狭い男に思え、レノはきまりが悪くなってそっぽを向いた。
『武器を確認した。始めるぞ』
ツォンから通信が入り、二人はそれぞれ武器を構えた。
「信じてるよ、レノ」
「あぁ」
ヒロインの銃から一発の銃弾が発射された。
その銃弾は最も油断していた男の命を奪った。
突然の銃声で混乱する敵に向かって、レノは駆け出した。
初めて組んだというのに、ヒロインのサポートは完璧だった。
レノの死角の敵を次々と倒していく。
外にいた敵は、ものの5分も立たないうちに地面に伏した。
「ツォンさん、外は制圧したぞ、と」
ヒロインの方も車のタイヤをパンクさせ終えたようだ。これで車での逃亡はできなくなった。
『売人の男はこちらで確保した。だが、例の男が逃げた。追跡を頼む』
「レノ、行こう」
ヒロインは先に走り出した。少し焦っているように見える。
レノは男の逃げた方向を聞きながら、ヒロインを追った。
ちょうど男を見失った地点でヒロインに追いついたレノは、飛び出そうとしたヒロインの肩を掴んで止めた。
「ヒロイン、慌てすぎだぞ、と。どうせ遠くにはいけない」
レノの手を振り払おうとしたヒロインが動きを止め、唇を噛んだ。
「ごめん、ちょっと焦ってた。ダメだね、冷静にならないと…」
ヒロインが呼吸を整えている間に、レノは辺りを見回した。
男を見失った場所は、倉庫を出たところのコンテナ置き場だった。いくつものコンテナが並び、積み上げられている。
「死角が多いな」
コンテナの中、曲がり角、隙間――考えたらきりがない。
「待ち伏せはないと思う。派手に暴れたから、きっと外が制圧済みなのも把握しているはず。見回ったときにボートはなかったから、逃げるなら陸路」
「自棄になってこっちに向かってくる可能性もあるだろ」
逃げると断言したヒロインに、レノは怪訝な顔を向けた。
すると、ヒロインが苦笑いを浮かべた。
「だってあいつ、7年前も逃げたんだよ?きっと今回も同じ」
今回は逃さないけど、とヒロインが付け加えた。
その表情にもう迷いはない。
「できるだけ市街に抜ける道を塞ぐように追い詰めよう」
ヒロインが端末に表示した地図を記憶し、レノとヒロインは静かに男を追った。
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