1:苦手意識
ヒロイン
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目的地はコスタ・デル・ソル。まずはジュノンへ向かい、そこで一般の観光客を装い、コスタ・デル・ソルに向かう計画だ。
ちょうどジュノンまで軍用輸送機が飛ぶということだったので、二人は貨物と一緒に軍用輸送機に乗り込んだ。
輸送機は揺れに揺れた。ジュノンに到着して揺れない地面に立ってもまだ、揺れているような感覚が残っている。
「…船が出るまで時間があるから、少し休憩しようか」
ヒロインの提案に反対する理由はなかった。
「着替えたら、ここに集合にしよう。人が多いから、目立たないと思う」
ヒロインがタブレットに表示された地図で指し示したのは、市街中心部にあるカフェの一つだった。
「了解、と」
レノはカジュアルなシャツとスラックスに着替えると、すぐに基地を出て、待ち合わせのカフェに向かった。
外の席でコーヒーを飲みながら、ヒロインが来るのを待った。
(気分悪そうだったし、時間かかりそうだな…)
先程の青白い顔をしたヒロインを思い出し、レノは先が思いやられると溜息をついた。
1本、2本、ゆっくりタバコを吸っていると、基地の方からキャリーバッグを引いたヒロインがやってきた。
レノはその姿に思わず見とれた。
シンプルな白いロングワンピースとレースカーディガン。露出は少ないにも関わらず、時折浮かび上がる身体のラインにドキリとさせられる。通行人が振り返り、罰が悪そうに盗み見るのも仕方がないと思われた。
「もう…何でこんな服…」
周りの視線を感じてか、ヒロインの頬は少し赤くなっていた。
豊かな胸を隠すようにかき合わせたカーディガンのせいで、余計にそこへの関心を集めているような気もする。
「ごめんね、待たせちゃって…」
近寄ってきたヒロインがはっとした顔をした。そして、その視線はレノの手元に向かった。明らかに顔が強張っていた。
「あぁ、悪ぃ。タバコ、苦手だったか?」
声をかけてから少し間をおいて、ヒロインがいつもの柔らかい笑顔を取り戻した。
「ううん。あの輸送機に揺られたあとだったから、ちょっと匂いに、ね」
嘘だ。
レノは見逃さなかった。ヒロインの身体が震えているのを。
ただ嫌がっているのではないのは明らかだった。
「出港まで時間あるけど、向かっちゃおうか」
「あぁ、そうだな」
レノはタバコを消すと、ヒロインと並んで港に向かった。
ちらりと横目でヒロインを見ると、既に震えはなく、穏やかな表情を浮かべていた。
レノにはそれが作り物に思えて仕方なかった。
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ちょうどジュノンまで軍用輸送機が飛ぶということだったので、二人は貨物と一緒に軍用輸送機に乗り込んだ。
輸送機は揺れに揺れた。ジュノンに到着して揺れない地面に立ってもまだ、揺れているような感覚が残っている。
「…船が出るまで時間があるから、少し休憩しようか」
ヒロインの提案に反対する理由はなかった。
「着替えたら、ここに集合にしよう。人が多いから、目立たないと思う」
ヒロインがタブレットに表示された地図で指し示したのは、市街中心部にあるカフェの一つだった。
「了解、と」
レノはカジュアルなシャツとスラックスに着替えると、すぐに基地を出て、待ち合わせのカフェに向かった。
外の席でコーヒーを飲みながら、ヒロインが来るのを待った。
(気分悪そうだったし、時間かかりそうだな…)
先程の青白い顔をしたヒロインを思い出し、レノは先が思いやられると溜息をついた。
1本、2本、ゆっくりタバコを吸っていると、基地の方からキャリーバッグを引いたヒロインがやってきた。
レノはその姿に思わず見とれた。
シンプルな白いロングワンピースとレースカーディガン。露出は少ないにも関わらず、時折浮かび上がる身体のラインにドキリとさせられる。通行人が振り返り、罰が悪そうに盗み見るのも仕方がないと思われた。
「もう…何でこんな服…」
周りの視線を感じてか、ヒロインの頬は少し赤くなっていた。
豊かな胸を隠すようにかき合わせたカーディガンのせいで、余計にそこへの関心を集めているような気もする。
「ごめんね、待たせちゃって…」
近寄ってきたヒロインがはっとした顔をした。そして、その視線はレノの手元に向かった。明らかに顔が強張っていた。
「あぁ、悪ぃ。タバコ、苦手だったか?」
声をかけてから少し間をおいて、ヒロインがいつもの柔らかい笑顔を取り戻した。
「ううん。あの輸送機に揺られたあとだったから、ちょっと匂いに、ね」
嘘だ。
レノは見逃さなかった。ヒロインの身体が震えているのを。
ただ嫌がっているのではないのは明らかだった。
「出港まで時間あるけど、向かっちゃおうか」
「あぁ、そうだな」
レノはタバコを消すと、ヒロインと並んで港に向かった。
ちらりと横目でヒロインを見ると、既に震えはなく、穏やかな表情を浮かべていた。
レノにはそれが作り物に思えて仕方なかった。
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