5:任務終了
ヒロイン
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電話から2日後、拠点にしているアパートにツォンとルードがやってきた。
「よお相棒。久しぶりだな」
「あぁ。お前は…まぁ、『元気』そうだと聞いている」
レノはルードの含みのある言葉に眉をひそめた。
が、すぐに何を言っているのか察しがついた。ツォンからあの電話のことを聞いたに違いない。
「あれは…大いなる誤解だぞ、と」
ヒロインと話しながらもこちらに向けられるツォンの視線が痛い。
『手を出すなと言っただろう』
ツォンの目がそう言っている。
「俺はヒロインが心を許したなら、それでいいと思うがな」
「何だよ、知ってるのか?ヒロインのこと」
ルードがサングラスの向こうの目を伏せた。
「俺とツォンさんが、ヒロインを救助したんだ」
「そうか」
「元気そうでよかった」
ヒロインを見つめるルードの目は優しかった。
そして、ルードはヒロインが若いメンバーの姉のような存在だったと言った。姉御肌で世話焼きで、みんなのフォローをよくしていたようだ。
今でもそれは変わっていない。レノの健康を心配して食事をとらせたり、先に休ませようとしたり。
それを思い出し、レノは口元に笑みを浮かべた。
「だから、ヒロインが幸せなら、例え相手があいつでもよかったんだがな…」
レノはルードの言葉に眉根を寄せた。ヒロインの恋人だった男のことを言っているのだろうが、その言葉は否定的だった。
「どういう意味――」
「ルード、久しぶり」
ヒロインが近寄ってくるのが見えたので、レノは言葉を飲み込んだ。
「あぁ。それにしても…」
ルードの視線がヒロインのウエストの辺りに向けられた。
「少し、太ったな」
間髪おかず、ヒロインが鋭くルードを睨みつけた。
「健康的、と言ってもらいたいなぁ」
「アイスばっか食べてるのにか?」
レノは懲りずにヒロインをからかった。
「減らず口ばっかり!」
ヒロインの細い指先が、レノの頬をつねった。
レノはきつい痛みを覚悟したが、頬から感じたのはつままれたぐらいの軽い痛み。
みんなの手前、伸ばした手を下ろしにくかったのだろう。頬を膨らませてはいるものの、目は困ったように泳いでいた。
「あー、はいはい。悪かったぞ、と」
両手を挙げて降参の意を示すと、ヒロインの指先が頬から離れた。
そっぽを向く前、熟れたトマトのように真っ赤なヒロインの顔が一瞬だけ見えた。
「ふざけている場合か。ミーティングを始めるぞ」
ツォンの一声で全員が顔を引き締めた。
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「よお相棒。久しぶりだな」
「あぁ。お前は…まぁ、『元気』そうだと聞いている」
レノはルードの含みのある言葉に眉をひそめた。
が、すぐに何を言っているのか察しがついた。ツォンからあの電話のことを聞いたに違いない。
「あれは…大いなる誤解だぞ、と」
ヒロインと話しながらもこちらに向けられるツォンの視線が痛い。
『手を出すなと言っただろう』
ツォンの目がそう言っている。
「俺はヒロインが心を許したなら、それでいいと思うがな」
「何だよ、知ってるのか?ヒロインのこと」
ルードがサングラスの向こうの目を伏せた。
「俺とツォンさんが、ヒロインを救助したんだ」
「そうか」
「元気そうでよかった」
ヒロインを見つめるルードの目は優しかった。
そして、ルードはヒロインが若いメンバーの姉のような存在だったと言った。姉御肌で世話焼きで、みんなのフォローをよくしていたようだ。
今でもそれは変わっていない。レノの健康を心配して食事をとらせたり、先に休ませようとしたり。
それを思い出し、レノは口元に笑みを浮かべた。
「だから、ヒロインが幸せなら、例え相手があいつでもよかったんだがな…」
レノはルードの言葉に眉根を寄せた。ヒロインの恋人だった男のことを言っているのだろうが、その言葉は否定的だった。
「どういう意味――」
「ルード、久しぶり」
ヒロインが近寄ってくるのが見えたので、レノは言葉を飲み込んだ。
「あぁ。それにしても…」
ルードの視線がヒロインのウエストの辺りに向けられた。
「少し、太ったな」
間髪おかず、ヒロインが鋭くルードを睨みつけた。
「健康的、と言ってもらいたいなぁ」
「アイスばっか食べてるのにか?」
レノは懲りずにヒロインをからかった。
「減らず口ばっかり!」
ヒロインの細い指先が、レノの頬をつねった。
レノはきつい痛みを覚悟したが、頬から感じたのはつままれたぐらいの軽い痛み。
みんなの手前、伸ばした手を下ろしにくかったのだろう。頬を膨らませてはいるものの、目は困ったように泳いでいた。
「あー、はいはい。悪かったぞ、と」
両手を挙げて降参の意を示すと、ヒロインの指先が頬から離れた。
そっぽを向く前、熟れたトマトのように真っ赤なヒロインの顔が一瞬だけ見えた。
「ふざけている場合か。ミーティングを始めるぞ」
ツォンの一声で全員が顔を引き締めた。
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