1:苦手意識
ヒロイン
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レノはオフィスでツォンから言い渡されたことに対して、明確に不満を訴えた。
「そんな、どこの馬の骨ともわからない奴と…」
「お前が会ったことがないだけで、彼女はベテランだ」
「つーことは、ババアだろ?」
「…レノ、絶対それを彼女の前で口にするなよ」
ツォンは大きく溜息をつき、もう一度レノに言った。
「明日から、ヒロインと監視任務。ルードが療養中なのだから諦めろ、いいな」
「へいへい…」
レノは肩を竦め、情報が転送されたタブレットを手にとった。
何のことはない、反神羅組織に武器を流していると思われる男の監視だ。
それを知らない女と二人で、明日から。
女性と二人になれるのであれば喜んで行くところだが、『ベテランの』女性には何も期待できない。
(どうせ枯れた年寄りだろ…)
今まで何の任務にも駆り出されていないことから、腕前もあまり期待できないだろう。
憂鬱になる情報しかない。
レノは明日の任務の準備を終えると、早々に会社を出て、肉体関係にある女性に電話をした。
監視任務に入ると、しばらく女を抱くことができないだろうから。
翌日、レノは珍しく時間通りに出社した。
オフィスの扉を開けると、ツォンと見慣れない女性が一人いた。鈍色の長い髪の女性だった。
「ヒロインさん、こいつが今日から組んでもらうレノです。いろいろ教えてやってください」
「今じゃ、私が教えられる側だと思うけどなぁ」
ツォンの言葉に苦笑したヒロインと呼ばれた女性が振り返った。
年寄りだとばかり思っていた。
しかし、振り返った彼女は若く、美しかった。
浅葱色とでも言うのか、緑がかった青い瞳は落ち着いた光をたたえ、控えめな薄紅色をした唇はつややかで、男を虜にする魅力があった。
「初めまして。私はヒロイン、ツォンの先輩。今じゃ、私よりツォンの方が偉くなっちゃったけど」
よろしく、と軽く頭を下げたヒロインの柔らかい髪が前に垂れる。それをかき上げる仕草も色っぽかった。恐らく、彼女は意識してやっているのではないのだろうが、レノは内なる欲望が高まるのを感じた。
それを表に出さないよう、努めて冷静に挨拶を返した。
「じゃあ、少し装備確認してくるね。終わったら出発しよっか」
30分時間をくれと言い、ヒロインは武器庫の方に消えていった。
その後姿を見送っていたレノに、ツォンが厳しい顔をして近づいてきた。
「レノ、絶対に彼女には手を出すなよ」
レノは肩を竦めた。
「取って食いはしませんよ、と」
珍しくきつく念押しをするツォンに疑問を感じながらも、レノはツォンの忠告を頭の奥底にしまった。
手を出さないとは約束できない。
ヒロインは今まで会った誰よりも美しく、性的な魅力に溢れていた。スーツを着ていても、その下の肢体は男を十二分に満足させられるものだとわかる。
触れたい、抱きたい。
そんな黒い欲望を抱え、レノとヒロインは監視任務へと出発した。
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「そんな、どこの馬の骨ともわからない奴と…」
「お前が会ったことがないだけで、彼女はベテランだ」
「つーことは、ババアだろ?」
「…レノ、絶対それを彼女の前で口にするなよ」
ツォンは大きく溜息をつき、もう一度レノに言った。
「明日から、ヒロインと監視任務。ルードが療養中なのだから諦めろ、いいな」
「へいへい…」
レノは肩を竦め、情報が転送されたタブレットを手にとった。
何のことはない、反神羅組織に武器を流していると思われる男の監視だ。
それを知らない女と二人で、明日から。
女性と二人になれるのであれば喜んで行くところだが、『ベテランの』女性には何も期待できない。
(どうせ枯れた年寄りだろ…)
今まで何の任務にも駆り出されていないことから、腕前もあまり期待できないだろう。
憂鬱になる情報しかない。
レノは明日の任務の準備を終えると、早々に会社を出て、肉体関係にある女性に電話をした。
監視任務に入ると、しばらく女を抱くことができないだろうから。
翌日、レノは珍しく時間通りに出社した。
オフィスの扉を開けると、ツォンと見慣れない女性が一人いた。鈍色の長い髪の女性だった。
「ヒロインさん、こいつが今日から組んでもらうレノです。いろいろ教えてやってください」
「今じゃ、私が教えられる側だと思うけどなぁ」
ツォンの言葉に苦笑したヒロインと呼ばれた女性が振り返った。
年寄りだとばかり思っていた。
しかし、振り返った彼女は若く、美しかった。
浅葱色とでも言うのか、緑がかった青い瞳は落ち着いた光をたたえ、控えめな薄紅色をした唇はつややかで、男を虜にする魅力があった。
「初めまして。私はヒロイン、ツォンの先輩。今じゃ、私よりツォンの方が偉くなっちゃったけど」
よろしく、と軽く頭を下げたヒロインの柔らかい髪が前に垂れる。それをかき上げる仕草も色っぽかった。恐らく、彼女は意識してやっているのではないのだろうが、レノは内なる欲望が高まるのを感じた。
それを表に出さないよう、努めて冷静に挨拶を返した。
「じゃあ、少し装備確認してくるね。終わったら出発しよっか」
30分時間をくれと言い、ヒロインは武器庫の方に消えていった。
その後姿を見送っていたレノに、ツォンが厳しい顔をして近づいてきた。
「レノ、絶対に彼女には手を出すなよ」
レノは肩を竦めた。
「取って食いはしませんよ、と」
珍しくきつく念押しをするツォンに疑問を感じながらも、レノはツォンの忠告を頭の奥底にしまった。
手を出さないとは約束できない。
ヒロインは今まで会った誰よりも美しく、性的な魅力に溢れていた。スーツを着ていても、その下の肢体は男を十二分に満足させられるものだとわかる。
触れたい、抱きたい。
そんな黒い欲望を抱え、レノとヒロインは監視任務へと出発した。
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