1-12:Truth
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「ヒロインっ!」
レノは地下の最奥にある研究室の扉を乱暴に押し開けた。
「お待ちしてましたよ、レノさん」
一番初めに目に入ったのは、不敵に笑う研究員。
ヒロインは――
パイプベッドの残骸の上、そこにいた。
ヒロインの身体からは、目に見えるまでになった魔力の靄が溢れ出していた。
頭を振り乱し、掻き毟りながらヒロインは絶え間なく絶叫していた。
「一体…」
レノは変わり果てたヒロインを茫然と見ていた。
「覚醒、させたんです」
研究員がさも楽しそうに声を上げて笑った。
「くくっ…ちょっと甘い記憶を揺り動かしたらこれですよ!時間と手間掛けた甲斐あったなぁ」
研究員がヒロインを一瞥して、また笑い始めた。
「俺の専門は精神操作…知ってました?ヒロインが研究所にいた頃からの仕掛けが今日やっと花開いたんですよ!」
まるで自分の手柄を自慢する子供のように研究員が大げさに両手を広げた。
レノは研究員の演説に眉をしかめる。
「昔俺がちょっとその気にさせただけでこれですよ!恋愛感情ほど御しやすいものはありませんねぇ」
研究員が興奮して悦に入ったように大声で笑った瞬間、レノはざわっと身体の内側から怒りが溢れ出すのを感じた。
「利用した…だと?お前っ!」
堪忍袋の尾が切れたレノは感情に任せて研究員に殴り掛かった。
それを余裕を持って躱した研究員が小馬鹿にしたように笑う。
「俺なんかに構ってる暇、あるんですか?このままだとヒロイン、死にますよ」
レノはロッドを振り上げ、今まさに研究員に当たる寸前でそれを止めた。
確かにヒロインの方が優先だ。
研究員を殴りたい衝動を必死に抑え、レノはヒロインに向き直った。
しかしヒロインを中心に渦を巻く魔力のせいで、近づきたくても近付けない。
ここまで来たのに。
こんなすぐ近くにヒロインがいるのに、何もできない。
レノはくっと唇を噛み締めた。
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レノは地下の最奥にある研究室の扉を乱暴に押し開けた。
「お待ちしてましたよ、レノさん」
一番初めに目に入ったのは、不敵に笑う研究員。
ヒロインは――
パイプベッドの残骸の上、そこにいた。
ヒロインの身体からは、目に見えるまでになった魔力の靄が溢れ出していた。
頭を振り乱し、掻き毟りながらヒロインは絶え間なく絶叫していた。
「一体…」
レノは変わり果てたヒロインを茫然と見ていた。
「覚醒、させたんです」
研究員がさも楽しそうに声を上げて笑った。
「くくっ…ちょっと甘い記憶を揺り動かしたらこれですよ!時間と手間掛けた甲斐あったなぁ」
研究員がヒロインを一瞥して、また笑い始めた。
「俺の専門は精神操作…知ってました?ヒロインが研究所にいた頃からの仕掛けが今日やっと花開いたんですよ!」
まるで自分の手柄を自慢する子供のように研究員が大げさに両手を広げた。
レノは研究員の演説に眉をしかめる。
「昔俺がちょっとその気にさせただけでこれですよ!恋愛感情ほど御しやすいものはありませんねぇ」
研究員が興奮して悦に入ったように大声で笑った瞬間、レノはざわっと身体の内側から怒りが溢れ出すのを感じた。
「利用した…だと?お前っ!」
堪忍袋の尾が切れたレノは感情に任せて研究員に殴り掛かった。
それを余裕を持って躱した研究員が小馬鹿にしたように笑う。
「俺なんかに構ってる暇、あるんですか?このままだとヒロイン、死にますよ」
レノはロッドを振り上げ、今まさに研究員に当たる寸前でそれを止めた。
確かにヒロインの方が優先だ。
研究員を殴りたい衝動を必死に抑え、レノはヒロインに向き直った。
しかしヒロインを中心に渦を巻く魔力のせいで、近づきたくても近付けない。
ここまで来たのに。
こんなすぐ近くにヒロインがいるのに、何もできない。
レノはくっと唇を噛み締めた。
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