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(私…知ってる)
導かれるように辿り着いたのはニブル山中にある研究所だった。
だんだんと激しくなっていた頭痛と頭に響く聞き覚えのある声は、研究所を前にしてぱたりと止んだ。
廃墟と化し、静まり返った研究所はヒロインの心をも落ち着かせた。
「私、ミッドガル育ちだって聞いてたけど…やっぱり違うのね」
今まで感じていた違和感。
ここにきて漸く本来自分のいるべき場所に来たような落ち着きを感じた。
ヒロインはゆっくりと一歩踏み出し、壊れて隙間ができた大きな扉から中に入った。
外界すべてから隔離されたような静けさに、ヒロインは気味が悪く思いながらも懐かしさを感じていた。
多少血や埃で汚れていたが、中の白さは際立っていた。
いつか夢で見た真っ白な空間と酷似しているそれ。
「夢じゃ、なかったんだ」
ヒロインは茫然として、力なくその場に座り込んだ。
記憶の片隅に残っていたものと、今目にしているものが繋がった。
数年前まで、ここにいた。
奇形生物。
研究員。
たくさんの人がいて、忙しそうに動き回っていた。
それを見ていたのは――
「培養装置の…中から?」
ドクン。
心臓が跳ねた。
呼吸が荒くなる。
短い呼吸を繰り返しながら、ヒロインは苦しくなってきた胸を押さえた。
――ヒロイン、もうすぐだよ
――もうすぐ、一緒に…
「研究員、一緒に――」
「「逃げよう」」
後ろから聞こえてきた声に、ヒロインははっとして振り返った。
.
導かれるように辿り着いたのはニブル山中にある研究所だった。
だんだんと激しくなっていた頭痛と頭に響く聞き覚えのある声は、研究所を前にしてぱたりと止んだ。
廃墟と化し、静まり返った研究所はヒロインの心をも落ち着かせた。
「私、ミッドガル育ちだって聞いてたけど…やっぱり違うのね」
今まで感じていた違和感。
ここにきて漸く本来自分のいるべき場所に来たような落ち着きを感じた。
ヒロインはゆっくりと一歩踏み出し、壊れて隙間ができた大きな扉から中に入った。
外界すべてから隔離されたような静けさに、ヒロインは気味が悪く思いながらも懐かしさを感じていた。
多少血や埃で汚れていたが、中の白さは際立っていた。
いつか夢で見た真っ白な空間と酷似しているそれ。
「夢じゃ、なかったんだ」
ヒロインは茫然として、力なくその場に座り込んだ。
記憶の片隅に残っていたものと、今目にしているものが繋がった。
数年前まで、ここにいた。
奇形生物。
研究員。
たくさんの人がいて、忙しそうに動き回っていた。
それを見ていたのは――
「培養装置の…中から?」
ドクン。
心臓が跳ねた。
呼吸が荒くなる。
短い呼吸を繰り返しながら、ヒロインは苦しくなってきた胸を押さえた。
――ヒロイン、もうすぐだよ
――もうすぐ、一緒に…
「研究員、一緒に――」
「「逃げよう」」
後ろから聞こえてきた声に、ヒロインははっとして振り返った。
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