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そこに置かれていた封筒には、丁寧な字で『レノへ』と書かれていた。
恐る恐る手に取り、レノは封を開けた。
『レノへ
本当はちゃんと伝えたかったけど、あなたといると決心が鈍りそうだったので手紙にします。
レノ、今まで本当にありがとう。
あなたと一緒の生活はすごく楽しかった。
ずっと一緒にいられたら、っていつも考えてた。
私が誰であろうと、全て受けとめてくれると言ってくれたときは、本当にうれしかった。
でも、やっぱりダメみたい。
私は普通の人間じゃないから、このままだとあなたに迷惑を掛けてしまう。
これ以上甘えるわけにはいきません。
だから、行きます。
ありがとう、愛してくれて。
さよなら、レノ。
――ヒロイン』
「ヒロイン…死ぬ気か?」
一方的に別れを告げる手紙。
その文面から漂う死の匂いに、自然と手に力が入った。
くしゃっと音をたて、持っていた手紙の端に皺が寄る。
手紙の最後の方には、涙が落ちたような跡もあった。
一応は拭いてあるようだが、濡れてふやけた紙が乾いた独特の跡は隠しようがない。
涙を零しながら手紙を綴ったヒロインの気持ちを思うと、胸が張り裂けそうになる。
結局、ヒロインの中にあった不安をなくしてやることはできなかった。
自分は何者なのか。
地下水路の事件があってから、元気そうに見えて、ヒロインが悩んでいるのは知っていた。
知っていたのに、何もしてやらなかった。
昨日も肝心なときに傍にいてやれず、辛い目に合わせた。
ヒロインを守るだの何だの言っておきながら、この様だ。
まだ、ヒロインに何もしてやれてない。
まだ間に合う。
沈んだ表情で手紙を眺めていたレノの目に光が宿った。
きつくこぶしを握って立ち上がる。
「俺らしくないな」
いつまでうじうじ内に籠もっているのか。
レノは自嘲気味に笑った。
今ならヒロインに追い付けるかもしれない。
一度そう思うと、いてもたってもいられず、レノは簡単に身仕度を整えると、部屋を飛び出した。
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恐る恐る手に取り、レノは封を開けた。
『レノへ
本当はちゃんと伝えたかったけど、あなたといると決心が鈍りそうだったので手紙にします。
レノ、今まで本当にありがとう。
あなたと一緒の生活はすごく楽しかった。
ずっと一緒にいられたら、っていつも考えてた。
私が誰であろうと、全て受けとめてくれると言ってくれたときは、本当にうれしかった。
でも、やっぱりダメみたい。
私は普通の人間じゃないから、このままだとあなたに迷惑を掛けてしまう。
これ以上甘えるわけにはいきません。
だから、行きます。
ありがとう、愛してくれて。
さよなら、レノ。
――ヒロイン』
「ヒロイン…死ぬ気か?」
一方的に別れを告げる手紙。
その文面から漂う死の匂いに、自然と手に力が入った。
くしゃっと音をたて、持っていた手紙の端に皺が寄る。
手紙の最後の方には、涙が落ちたような跡もあった。
一応は拭いてあるようだが、濡れてふやけた紙が乾いた独特の跡は隠しようがない。
涙を零しながら手紙を綴ったヒロインの気持ちを思うと、胸が張り裂けそうになる。
結局、ヒロインの中にあった不安をなくしてやることはできなかった。
自分は何者なのか。
地下水路の事件があってから、元気そうに見えて、ヒロインが悩んでいるのは知っていた。
知っていたのに、何もしてやらなかった。
昨日も肝心なときに傍にいてやれず、辛い目に合わせた。
ヒロインを守るだの何だの言っておきながら、この様だ。
まだ、ヒロインに何もしてやれてない。
まだ間に合う。
沈んだ表情で手紙を眺めていたレノの目に光が宿った。
きつくこぶしを握って立ち上がる。
「俺らしくないな」
いつまでうじうじ内に籠もっているのか。
レノは自嘲気味に笑った。
今ならヒロインに追い付けるかもしれない。
一度そう思うと、いてもたってもいられず、レノは簡単に身仕度を整えると、部屋を飛び出した。
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