1-9:Prototype
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レノが長期任務に出て1週間が経った。
その間は外勤に回されることもなく、ヒロインはひたすらデスクワークに勤しんでいた。
自分の分以外に、貯めに貯めたレノの仕事まで回ってきたため、身体の疲労も半端ではない。
そして、さすがに1週間デスクに向かいっぱなしだと肩も凝る。
手を肩に置き、首と肩を回して休憩していると、ヴェルドから声が掛かった。
「何か?」
ヒロインはまだ解れていない首を回してコキコキ音を鳴らした。
身体に固さと重さを感じながら、ヒロインはヴェルドの話を待った。
「任務だ。ツォンとハイデッカー統括の作戦に参加だ」
簡潔に告げられ、1枚の書類と2枚の写真を手渡された。
写真にはそれぞれ男が一人ずつ写っている。
人相からして、二人とも地下組織の人間であることがわかった。
「細かい指示はハイデッカー統括から受けてくれ」
ヴェルドに指示され、二人はすぐにハイデッカーの元に向かった。
「ガハハハ!今日この反神羅組織のボス同士が接触することをこの私が掴んだ!そこの女は片方の男の足止めだ。…方法は、わかっているな?」
ハイデッカーとは初対面であるにも関わらず、作戦司令室に着くなり、突然指をさされたヒロインは、驚いて目を丸くした。
男を止める方法なんて、一つしかない。
身体で――
ヒロインは自然と胸の前に手を置き、ぎゅっと胸元を押さえた。
「昔からそんな仕事ばかりと聞いている。問題ないだろう。ガハハハ!」
無神経なハイデッカーの話に、ツォンの眉が吊り上がった。
「お言葉ですが、そういった任務を強要するのは――」
「一タークスが私に意見するのか?」
仮にも上司に当たるハイデッカーにそう言われ、ツォンが悔しそうに唇を噛んだ。
「大丈夫です。やります」
さらに反論しようとしたツォンを押し留め、ヒロインは気丈にも笑ってみせた。
進言してくれたツォンの気持ちは有り難いが、迷惑は掛けられない。
(やっぱり、無理なのかな…)
普通の女性として生きたい。
恋をして、好きな人に愛されて――やはり、そんな生活は無理なのだと、ヒロインは今日はっきりと悟った。
今日の任務を受けるにしても、レノにだけは知られたくない。
今から他の男に抱かれに行くなんて知ったら、レノはどう思うだろう。
(レノ…)
知られたときの恐怖を思うと、息をすることすらままならない。
レノの耳に入らないことを願って、ヒロインは準備に掛かった。
.
その間は外勤に回されることもなく、ヒロインはひたすらデスクワークに勤しんでいた。
自分の分以外に、貯めに貯めたレノの仕事まで回ってきたため、身体の疲労も半端ではない。
そして、さすがに1週間デスクに向かいっぱなしだと肩も凝る。
手を肩に置き、首と肩を回して休憩していると、ヴェルドから声が掛かった。
「何か?」
ヒロインはまだ解れていない首を回してコキコキ音を鳴らした。
身体に固さと重さを感じながら、ヒロインはヴェルドの話を待った。
「任務だ。ツォンとハイデッカー統括の作戦に参加だ」
簡潔に告げられ、1枚の書類と2枚の写真を手渡された。
写真にはそれぞれ男が一人ずつ写っている。
人相からして、二人とも地下組織の人間であることがわかった。
「細かい指示はハイデッカー統括から受けてくれ」
ヴェルドに指示され、二人はすぐにハイデッカーの元に向かった。
「ガハハハ!今日この反神羅組織のボス同士が接触することをこの私が掴んだ!そこの女は片方の男の足止めだ。…方法は、わかっているな?」
ハイデッカーとは初対面であるにも関わらず、作戦司令室に着くなり、突然指をさされたヒロインは、驚いて目を丸くした。
男を止める方法なんて、一つしかない。
身体で――
ヒロインは自然と胸の前に手を置き、ぎゅっと胸元を押さえた。
「昔からそんな仕事ばかりと聞いている。問題ないだろう。ガハハハ!」
無神経なハイデッカーの話に、ツォンの眉が吊り上がった。
「お言葉ですが、そういった任務を強要するのは――」
「一タークスが私に意見するのか?」
仮にも上司に当たるハイデッカーにそう言われ、ツォンが悔しそうに唇を噛んだ。
「大丈夫です。やります」
さらに反論しようとしたツォンを押し留め、ヒロインは気丈にも笑ってみせた。
進言してくれたツォンの気持ちは有り難いが、迷惑は掛けられない。
(やっぱり、無理なのかな…)
普通の女性として生きたい。
恋をして、好きな人に愛されて――やはり、そんな生活は無理なのだと、ヒロインは今日はっきりと悟った。
今日の任務を受けるにしても、レノにだけは知られたくない。
今から他の男に抱かれに行くなんて知ったら、レノはどう思うだろう。
(レノ…)
知られたときの恐怖を思うと、息をすることすらままならない。
レノの耳に入らないことを願って、ヒロインは準備に掛かった。
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